「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

嫌いなブランドの製品は深追いしない

2019年05月13日 | オーディオ談義

   

   

丁度バラが満開の状態です。塀の前を掃除していたらご近所の方々や通りがかりの人たちが口を揃えて「大きなバラですねえ!」

「ハイ、(家内が)育て方を変えたら急に大きくなったようです。専門家によるとこれまでに蓄えたエネルギーを一気に晴らすかのような咲き方なので来年もうまく咲いてくれるかどうかは分からないそうですよ」

バラと同じで人間にも「雌伏の期間」が要るのかもしれませんね(笑)。

閑話休題(それはさておき)

前回からの続きです。

真空管アンプとTRアンプの優劣論争も結局は各自ごとに「優先順位」をどこに置くかということに尽きるわけだが、一般論だと抽象的になって分かりづらいので個別メーカーに絞って言及してみよう。

まず、真空管愛好家の立場から言わせてもらうと「血の気のない音」の代表的なブランドが「アキュフェーズ」社(以下、「A社」)だと思うが、いまだにその良さがどうしてもピンとこない。

とはいえ気に入っている人が結構いるので、もうこればかりは「虫が好かん」としか言いようがない。したがってCDプレイヤーからアンプまで結果的にA社の製品はいっさい我が家には無い。


これは自分だけの事かと思っていたところ、同じ真空管派の仲間たちからも「A社」と聞いただけで、
「価格さえ高ければいい音がしそうだ」「評判さえ良ければいい音がしそうだ」「見た目が豪華なので・・」という「音についての自己判断ができない人たちがA社の製品を愛好する傾向がある」と、歯に衣を着せない言い方をしてくる。

ただ、アフター・サービスの良さは定評があるようで、ガレージ・メーカーのようにすぐに潰れる心配のなさも含めて、こればかりは特筆しておかねばならない。


さて、そういういわくつきの「A社」の中で唯一試聴してみたいと思う製品がある。それはA級専用のアンプ。


アンプには増幅の仕方によって「A級」「AB級」などがあるそうで、(自分は詳しくありません。その違いはネットに紹介されているので興味のある方はググってもらうことにして)、真空管アンプはすべてA級だそうでTRアンプでA級方式となると珍しそうなので大いに興味が湧く。


実を言うと、地方に住んでいると機会に恵まれないためA社の「本格的なA級アンプ」をまだ聴いたことがない。

「AXIOM80に繋いで駆動したらいったいどういう音がするんだろう?」という興味はなかなか捨てがたい。
そういう中、オークションのアラート登録をしている中古専門店から出品されたのが同社の「A45」アンプ。
           
      


例によって開始価格1000円なのですぐにウォッチリストに登録。万一、誰の興味も引かないという天佑に恵まれれば安値なら落札してもいいかなというわけだが、何せ「鵜の目鷹の目」の世界なので、世の中そうそう甘くはないという見込みも十分織り込み済み。


「A社」のA級アンプはたしか数種類あって、フラッグシップモデルとしての「A200 →200ワット出力」をはじめ「A100」「A60」「A30」「A20」などいろいろ。

「AXIOM80」には「A30」クラスで十分だと思うが、今回出品されている「A45」は定価で70万円近くする。


興味を持って入札価格の推移を見守っているとすぐに値段が吊りあがっていき、軽く20万円をオーバーした。試聴したことのないアンプに対して20万円以上出す勇気はない。

冒険するにはちょっと歳を取り過ぎているし分別もあり過ぎる(笑)。


そこで、さあ、後はどのくらいの値段に落ち着くのか、興味はそちらの方へ向かった。
もったいぶらずに結果を明らかにすると、入札件数は76件、落札価格は383,001円だった。

およそ定価の半額というわけで、オークションの価格にしてはそれほど値落ちもしておらずやはりアキュフェーズの人気の程が偲ばれる。見た目も豪華だしねえ。


このアンプの価格からすると、真空管WE300Bの1950年代製造
(オールドタイプでグッドコンディション)のオークション相場がペアで50万円前後だがはたして妥当な価格なのかどうか・・・・。

そもそも真空管方式に固執するのがいいのかどうか、ちと考え込んでしまう。


「過ちを認めるにけっしてやぶさかではない」積もりなので、一度でもいいから「A社」のA級アンプを自宅で実際に試聴して真空管アンプと比較してみたいものだ。


と、ここまで記事にしたところで念のため真空管愛好家の仲間に電話してみた。


「A社のA級アンプを聴いたことがありますか?」


「はい、友人の家でマルチ・アンプ方式で鳴らしてあるのを聴いたことがあります。いくらA級アンプといっても真空管アンプとは似て非なるものです。

所詮、A社の域を出ない音でした。官能的な音が出ないので〇〇さんの好みにはとても合いませんよ。それに電力は喰うし発熱量が凄くてとても扱いずらそうでしたよ。」


「そうですか、やっぱり止めておいたほうがよさそうですね」

どうやら一事が万事で同一ブランドのトーンは良くも悪くも全ての機器にわたって統一されているようで、
「嫌いなブランドの製品は深追いしない」方が賢明のようですね(笑)。
 

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