もういい歳だし、そろそろ「断捨離」に入らなければといつも思うのだがなかなか行動が伴わない。
そもそも「断捨離とは」ご存知の方も多いと思うが改めて次の意味を持っている。
「断」=入ってくる不要なモノを断つ、
「捨」=不要なモノを捨てる
「離」=モノへの執着から離れる
ということだが、まだ「断」「離」の心境は無理としても、せめて「捨」ぐらいは実行したいものである。
オーディオの方も波瀾万丈の時代を乗り越えてようやく落ち着いてきたようだし、刻々と終点が近づいているのでもう使いそうにない機器が段々と目立つようになってきた。
そのうちの一つがデッカのツィーターだ。
「知る人ぞ知る」リボン型のホーン・ツィーターである。
あの有名な「マーク・レヴィンソン」氏が使っていた「H・Q・D」システムの一部を成していたことでよく知られている。
Hは「ハートレーのウーファー」、Qは「クォードのコンデンサー型をスコーカーとして使う」、Dは「デッカのリボン型ユニットをツィーター」として使うというもの。
デッカのツィーターは「リボン」型特有の自然かつ繊細な響きによってクラシックにもジャズにも使えることで重宝されており、古参のマニアに愛好者が多いことで知られている。
そもそも往年の音楽ファンにとっては「デッカ」と聞いただけで胸がふるえるほどのブランドだからイメージとしてはとてもいいはず。
一時ツィーターに凝っていた時期があり、あまりにも評判がいいので「物は試し」と購入したのだが、JBLの「075」あたりと比べると能率が若干低いため使いづらく、このところ物置の片隅でずっと「髀肉之嘆」(ひにくのたん)をかこっていた。
そろそろオークションに出品しようかなと思うのだが、いざ出すとなると何だかもったいない気がしてどうしても踏ん切りがつかない。
よし、もう一度イチかバチか挑戦してみて、それでだめならオークションに出してみよう。
もうこうなると「執念」に近いですね(笑)。
使うとなると、周波数「7000」ヘルツ以上が好ましいのでウェストミンスターの上に載せるしかない。まことに名残り惜しいが活躍中のJBLの「175ドライバー」を一時的にでも外すしかない。
ただし現用中のネットワークのクロスオーヴァーは「1200」ヘルツなのでその隙間(1200~7000ヘルツ)を埋めるためのユニットが必要だ。
そこで思い出したのが以前購入していたグッドマンのスコーカー専用の口径10センチのユニットだった。マグネットの形状からすると明らかにアルニコ型である。肝心の能率もデッカと似たようなものだろう。
我が家のオーディオ機器はいついかなるときに使い道が出てくるか一寸先はまったく闇だ(笑)。
結局、コンデンサーを活用して変則3ウェイということにした。
「~1200ヘルツ」(12db/oct) → 「スーパー12」
「1200~自然減衰」(12db/oct) → 「口径10センチ」(グッドマン)
「7000ヘルツ~」(6db/oct) → 「デッカのツィーター」
ネットワークの中高音域用のボリュームを最大限近く上げてようやくバランスが取れた。接続するコードはすべて「銀線」である。
さっそく音出ししてみると、あれっ、なかなか魅力的な音じゃじゃないか・・・。
流石にデッカだけあって「繊細かつ優雅」さがあって音楽性が満点!
「音楽性ってなんだ?」という野暮な話は止しましょうね(笑)。
「断捨離 VS 執念」はみごとに後者に軍配が上がった。
こんな優れものをオークションに出すなんて滅相もない(笑)。