このところSPユニット「AXIOM80」に言及したブログを登載しているが、このユニットについてある方のメールに「よくもまあAXIOM80を諦めずに取り組みましたね!」と、あったことを憶えている。
この方はとうとうAXIOM80を放棄して別のグッドマンのユニットを愛用されている由。その気持ち大いにわかります。
私は「往生際の悪い粘着気質の執念深いタイプ」なんです~(笑)。
しかし、「クラシック音楽とオーディオ」を熱心にやっている人で「日焼けした爽やかなスポーツマンタイプ」をこれまで見聞したことがないのも事実。
そもそも音楽(Music)の語源は「ギリシャ神話に出てくるミューズ(Muse)の女神」なんだから、戦士とは違ってどちらかといえば女性的な翳りを帯びている分野といえるのかもしれない。
さて、つい先日のこと「AXIOM80にふさわしいベストのプリアンプを選びたいので加勢してくれませんか」と、オーディオ仲間のYさんに来ていただいた。
ときどき、プリアンプとパワーアンプのどちらが音質に影響を与えますかという質問を散見するが、スピーカーとの相性や周辺機器との相性もあって簡単に断定できないが、プリアンプ次第で音質はガラッと変わるのでゆめゆめ油断できない代物と言える。
そこで、手当たり次第に5台のプリアンプを次から次に俎上に載せてみた。プリアンプは総じて軽いのでこういう芸当が簡単にできるのはありがたい。
2 プリアンプ編
左側がYさん所有の自作のアンプ。外側のケースはラックスの「CL35」だが中身はそっくり別の仕様になっている。
右側下段のアンプはオーディオ専門誌「無線と実験」にたびたび寄稿されている「安井」式のアンプで「12AU7」(4本)の構成、上段は「マッキントッシュのC22もどき」で「12AX7」(3本)で両方とも知人のMさん(大分市)の手になるもの。
この3台のうち、自己所有は「安井式」だけで他の2台は借り物となる。
続いて、
これは、れっきとした現用中の物で回路の基盤はフランスの名門オーディオ「JADIS」製の基盤を改良したもので構成は「12AU7」を6本使用したもの。
続いて、これも現用中の物で「マランツ7もどき」として構成は「12AX7」を3本使用したもの。
以上の5台で順次「AXIOM80」を鳴らし、ズバリ相性がいいか悪いか、この1点に絞って試聴してみた。
とはいえ、相性といっても曖昧な言葉になるのでより具体化すると「AXIOM80」の個性をうまく引き出してくれる、あるいは阻害しないことが肝心で、たとえば「透明感」「スピード感」「楽器の音色の再現性」といったところがポイントだ。
極めて繊細でデリケートな「AXIOM80」のこと、それぞれのプリアンプの個性をいとも簡単に出してくれた。
「いやあ、実に楽しいですねえ。オーディオ冥利に尽きます」と、喜ばれるYさん。
その結果、Yさんの表情、呟きとご様子から推察するとベスト1はご自作の「ラックス35もどき」で、以下「JADIS」「安井式」「マランツ7もどき」「マッキンC22もどき」の順番と受け取った。
そして、自分はといえば「JADIS」「安井式」「マランツ7もどき」が横一線でこれらを3本柱とすると、「ラックスCL35もどき」はたしかにいいことはいいが所詮は別れる運命なのだから横恋慕は止めておこうと自制心が働いた(笑)。
なお、ご参考までに我が家の「プリアンプの音を良くする3か条」を挙げておこう。
とはいえ、仲間からの知恵を拝借したものが混じっているので無断公開になるが、どうか気を悪くしないでね~。
ちなみに、我が家のプリアンプ3本柱にはこの「3か条のご誓文」をすべて拳拳服膺しているが、信用するも信用しないもすべて貴方の自由ですから念のため申し添えておきます(笑)。
✰ マイカ・コンデンサーの起用
アンプの急所ともいえるカップリング・コンデンサーにマイカ・コンデンサー(以下「マイカコン」)をパラってやると高音域の特性が良くなるという説がある。既にご存知の方も多いことだろう。
「ツィーター」のネットワークにもマイカコンをパラっている方を見かけるが、我が家の場合はプリアンプの「JADIS」にウェスタン製の極小値の「マイカコン」を半田付けしてパラっている。
これを付けた場合と外した場合とでYさんのご意見を伺ってみると「付けた方が断然いいです。楽器の音がより自然になりました」と驚かれていた。3本柱のうち他の2本は、比較的近代の「マイカコン」をパラっている。
✰ ボリューム器具の選択
ボリューム器具に関してはピンからキリまでいろんな種類が百花繚乱だが、音質に大きく影響を与える部分なので特定の銘柄を決めて使用している。
メーカー名は民間の宣伝の片棒を担ぐわけにはいかないのでヒ・ミ・ツだが、もうこれまでのブログでたびたび言及しているのでお分かりですよね(笑)。
✰ 特定のショットキーバリアダイオードの採用
プリアンプの整流には真空管式とダイオード式の二つがあるが、一長一短あってどちらがいいか簡単に断定できないものの、我が家の場合はダイオード式を採用しているが、その種類によってSN比に影響してくるので特定の銘柄に絞って使用している。
以上、3つとも精神安定剤の役割も兼ねているわけだが「AXIOM80」用のプリアンプに関しては今のところ「より取り見取り」の満腹状態なので、「浮気する意欲」も「改造する意欲」もサラサラなし。
ただし、それが幸なのか、不幸なのかはよくわからない(笑)。
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