「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

これ以上「道具」を増やしたくなかったのに・・

2021年03月21日 | オーディオ談義

前回のブログの末尾で少し触れたように、このところ欲しいオーディオ機器がメッキリと減っている。

50年余りのオーディオ人生の中で、ピンからキリまでいろんな音を出してきたがここ10年余りは自由時間をフルに活用して「音楽&オーディオ」に専念できた結果、自分で言うのも何だがかなりのレベルに到達したような気がする。

ここまで来ると、もうこれ以上望んでも所詮は「五十歩百歩」のような気がするし、人生の残り時間も勘案すると「これ以上オーディオ機器を増やさないようにしよう」と、決めていたのだが、このほどもろくもその誓いを
破ることになってしまった(笑)。



これが、その誓いをご破算にしてくれた「EL34プッシュプルアンプ」である。

出力が「プッシュプル型式」のメリットを生かして片チャンネルで30ワットあって、我が家の真空管アンプ群(大半がシングルアンプ型式)の中では一番の力持ち。

ウェストミンスター(改)の低音域(150ヘルツ以下)を担当するアンプとして、このアンプじゃないとどうしても再生できない音楽ソースがあって、のっぴきならなかったのが背景にある。

その音楽ソースとは、以前にも触れた「フラメンコ」の第2トラック「タラント・ソンソンセラ」のフラメンコ・ダンサーが「ドスン・ガツン」と床を踏み締める音。

しゅっちゅう聴く音楽ソースではないが、その時の超ド級の低音が耳に焼き付いて離れずその呪縛からどうしても抜け出せなかった。

そういえば、めったに聴かないジャズの「サキソフォン・コロッサス」で、マックス・ローチのシンバルが忘れられないばかりに「075ツィーター」(JBL)を外せないのと同じことだ(笑)。

オーディオ愛好家の「業」ともいうべき「深い暗闇」がポッカリ穴を開けて待っている。

ただし、このアンプは「中高音域」は蒸留水のようなサッパリした音で、まるでTRアンプみたいに情緒性に乏しくクラシック音楽の再生には明らかに向かないのが残念。あくまでも低音専用である。

このアンプを手に入れた経緯だが、3か月ほど前だったかオーディオ仲間のYさんがこのアンプで聴かせてくださいと持参されたことに始まった。

伺ってみると、オークションで市価の半分程度で落札されたものだが、キット製品のため完成寸前で放棄された新品だったそう。

このアンプを別のオーディオ仲間「N」さんが、ほんのチョコッと手を入れたところ音が出だしたとのこと。

結局、3か月ほど我が家で居候したわけだが、そのうちそろそろ決心せねばとYさんに「譲る気がありますか」と申し出たところ、「ハイ、いいですよ、オークションで落札した金額と同じでいいです」と、ご快諾をいただいた。お買い得品であることは間違いない。

それに、ずっと以前の話だが「ウェストミンスター」にJBLの口径38センチのユニットを容れて鳴らしたことがあり、量感はともかくスピード感に不満を感じて手放したのだが、その時のアンプは非力なシングルアンプだった。

もしかして、この強力なプッシュプル・アンプなら駆動できたかもしれないという憾みが執念深く未だに残っているので機会があればもう一度口径38センチに試してみたい気もする。

Yさんと話が決まってから、さっそく出力管のスペア「4本」(新品:近代管)をアムトランスから購入した。真空管は消耗品なのでスペアの確保は必須だし、低音専用だから近代管で十分だ。

さらに、このアンプは簡単にバイアス調整ができるので「EL34」よりも一回り大きな「KT88」真空管も挿せるとのことなので、そのうち機会があれば試してみたい気もする。

「KT88」といえばハイパワーアンプの代表選手マッキントッシュの「MC-275」に使われているので有名だ。

どなたか「KT88」(4本)余ってないかなあ(笑)。



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