オーディオに本腰を入れるようになると「磁界対策」「振動対策」「電源対策」などが不可欠になってくると思うのだが、こういうのにマメな愛好家がいるかと思えばそうでない人もあっていろいろあるみたい。
自分は「音がよくなる」と思えば何にでも手を出すタイプなのでもちろん前者に属する。
これらの対策は具体的な事象として目に捉えられないだけになかなか厄介な面があって一筋縄ではいかない。それに、「磁界」にしても「振動」にしても部位によってはある程度在った方が「お気に入りの音になる」場合もあって魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界みたいなところがある。
結局、最後には自分の耳で判断することになるし、その基準も「自分の好み」ということになるので「自分さえいいと思えばそれでいい」いわば自己満足の世界といわれても仕方がない。
そういうことを前提にして今回、ご紹介するのは「振動対策」の一環として自分でトライしてみた「インシュレーター」(遮音材)の製作。
因みにインシュレーターとはオーディオ機器の下で支えとなる敷きもの(通常3点支持)で不要な振動を防止する役割を持つ。
振動といってもいろいろあるが最たるものは低周波によるものでこれなどは壁や床を伝って”地を這う”ように隣室やときには隣家でさえもに簡単に侵入したりするのでそのエネルギーはバカにならない。
したがって同じ部屋にある機器なんかはまともに低周波の影響を受けるし、ほかにも微小電流を扱う機器によっては自身の電流通過に伴う鳴きとの相乗作用だって無視できない。これらは”ほったらかし”にしておくと確実に音質に悪影響を及ぼす。
かねてよりオーディオ関係の機器は高価すぎるというのが持論なので、今回のインシュレーター製作も安上がり作戦の一環である。
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1がこれまで使っていたインシュレーター。小さな木片ブロックに振動を適度に減衰させる専用の円盤(金属)を張り合わせたもの。決して不満ではなかったがもっと良くなればと取り外すことに。
2は今回の試みで「A六角タッピング」(サイズ:8×25)と、それに口径が合う小さなナットとの組み合わせ。
3はその完成品。接合部に金属用の接着剤を塗ってピタリとあわせればオシマイ。とにかく簡単に出来るし1個作るのに100円以内で済むので大助かり。
A六角タッピングの材料は鉄にクロームメッキが施されている。鉄は「磁界の歪み」の原因になるのであまり使いたくないのだがこのくらい小さければ良しとしよう。ナットの方は磁気を帯びないステンレス製なのでこれは安心して使える。
メーカーがつくる本格的なインシュレーターとは程遠いが自分の独創品ということもあり調子に乗って30個ほど作ってみて、ありとあらゆるオーディオ機器の下に敷いてみた。もちろん「アキシオム80」の平面バッフルの支えも例外ではない。
ネジの尖ったほうを下にして敷くか、上にして敷くかも一考の余地があるがデジタルオーディオの雄「ワディア社」の製品では全て尖った方を下にして敷いているのでこの例に倣っている。もちろん機器によっては安定性がよくない場合もあるのでその場合は上下を逆にする。
27ixVer3.0 170iトランスポート PX25アンプ
見た目にもいかにもいい音が出そうでワクワクしながらいろんなCDを試聴してみたが随分と音の濁りが少なくなってスッキリと聴こえ効果大で非常にGood。大満足!手前味噌になるのでこれ以上は唇にチャック。
釣具なんかもそうだが自分で工夫して創りあげたものはいつまでも愛着が尽きないのと同じで、このインシュレーターも生涯に亘って使うことになりそう。