「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

魅惑のオーディオ実験~AXIOM80の復権~

2019年01月20日 | オーディオ談義

オーディオはたしかに理論も大切だけど、実際に実験してみないと分からないことの方が多いような気がする。

オーディオとは言い換えると機器同士をいかに組み合わせるかに尽きると思うが、相互の長所と短所を微妙に絡みあわせるところにこそ妙味があって、似た者同士よりも異質とされるものを組み合わせて良好な結果が得られたりすると心から快哉を叫びたくなる。

したがって、オーディオ機器を単独で良し悪しを判断するのはとても危険なので常に相性実験が必要となる。

まあ、そういう趣旨で昨年12月に発足させた新しいカテゴリーの「魅惑のオーディオ実験シリーズ」だが早くも14件目の登載となった。

今回は、このところ存在感が増すばかりのPADのSPケーブルがもたらした様々な「福音」(ふくいん)について述べてみよう。

まずは、

☆ 神経質なAXIOM80が見事に変身

これまでいろんなスピーカー遍歴を重ねてきたが、とうとう最後はグッドマンとワーフェデールに落ち着いた。この辺がおそらく終着駅かな・・。

やはりクラシックを主体に聴くとなると、どうしても「ブリティッシュサウンド」になる。

そういうわけで愛好しているグッドマンだが、我が家では頼もしい「3兄弟」が常に出番を競っている。

長男の「AXIOM150マークⅡ」(口径30センチ:同軸2ウェイ)は聴き疲れのしない音でクラシック専門に聴くのにはもってこいのスピーカーだが、多少のんびりしているところがある。「総領の甚六」かな(笑)。

次男の「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)はなかなかのしっかり者で、あらゆる音楽ソースに柔軟に対応できるが、やや「八方美人」過ぎるところがあり、もう少し専門的に尖ったところが欲しい気もする。


そして問題は三男で末弟の「AXIOM80」(口径25センチ)だ。

三兄弟の中でも「白眉」(出典「三国志」:蜀の馬氏5人兄弟の中でもっとも優れていたのが馬良で、その眉毛に白毛が混じっていたことから同類の中で最も優れているものを白眉という。)ともいえる存在だが、その一方ではもう病的ともいえる繊細な神経の持ち主で、あらゆる変化に敏感に反応するが、ときにはあまりの気難しさにへきへきしたくなるほど(笑)。

このくらい個性的で「じゃじゃ馬」スピーカーも珍しいが、いったんツボにハマると特上の音を出してくれそうな気がするのでその辺が得体のしれない魅力の一つ。

何しろAXIOM80の一番のネックは「低音域」にある。音の姿は「ピラミッド」型にたとえられることが多いが、やはり底辺がしっかりと豊かに鳴ってくれないと全体が神経質かつ不安定になってしまう。

試行錯誤すること、もはや10年以上になって大いに勉強させてもらったが、ようやくこのAXIOM80から「まとも」ともいえる低音域が出てくれるようになったのはうれしい限り。

オーディオ仲間からも「PADのSPケーブルによってAXIOM80の神経質な面がすっかり払拭されましたね。」という「お墨付き」までいただいている。

「な~んだ、AXIOM80の低音不足を解決するカギはSPケーブルにあったのか」というわけだが「うれしさも 中くらいなり おらが80」。

実はエンクロージャーの工夫やアンプの改善などの正統的な手段で目的を果たしたかったので「うれしさ半分」というわけだ(笑)。

まあ、手段はどうであれ実際に良くなったのだからこれ以上欲を言うと罰が当たりそう。

これでようやく「AXIOM 80」が真価を発揮してくれて名誉挽回。「賢弟愚兄」の状況になりつつあるのかなあ(笑)。

ついでに調子に乗って・・・。

☆ 復刻版のAXIOM80の活用

SPケーブルの重要性にほとほと目覚めさせられたので、このほど調達したのが銀線のケーブルだ。口径は「0.8mm」で銀は銅よりも伝導率が高いというので試してみることにした。

   

使用目的はウェストミンスター(改)の上に載せていた
「175+075」コンビを外して復刻版の「AXIOM80」を活用することにある。

もちろん、やってみなくちゃ分からんという実験の一環である。ネットワークもJBLの「LX80」(クロス800ヘルツ)からテクニクス(クロス1200ヘルツ)へ交換。両方ともこのほどSP端子をバナナプラグ仕様に変更してもらったばかりである。

我が家では「LX80」がベストだが、付属の中高音域用のボリュームを最大限に上げてもAXIOM80が鳴ってくれないので仕方がない。

   

そもそも「AXIOM80」のスピードに合う「ウーファー」なんてまず存在しっこないし、ましてや口径38センチなんて反応が鈍くて論外だ。

やっと現用中の「スーパー12」(ワーフェデール)が口径30センチなので辛うじていけそうだし、肝心のマグネットは同じ「赤帯タイプ」である。

     

いずれにしても1200ヘルツ(-12db/oct)から「AXIOM80」を使おうというのだからたいへん珍しい。

たしか先年亡くなられた音楽評論家の「宇野功芳」さんのシステムが3ウェイで、低音域と高音域にワーフェデールのユニットを、中音域にはAXIOM80を使っておられたぐらいだ。

注意すべきは「箱無し」の状態で低域信号を入れたらこのユニットは一発で故障すること請け合い。実に苦い経験を持っている。  

ワクワクしながら聴いてみると、これはっと思わず絶句・・・。

   

「美は人を沈黙させる」(小林秀雄)という言葉はほんとうだねえ(笑)。

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