いつも、ああでもないこうでもないと「100点」満点を目指して気を張り詰めながら真剣にオーディオに取り組んできたが、さすがに寄る年波には勝てず(笑)、少々気疲れするようになった。
で、この頃では手を抜き加減にして、むしろ(オーディオを)「100点未満」の段階に意識的に留めておくほうがいいんじゃないかと思い直すようになった。
つまり、機器の能力を「9割」ぐらい引きだせればそれで「御(おん)の字」だし、音質だって「90点」ぐらい行けばもう十分。残りの1割と10点はこれからの楽しみにとっておこうというわけ。
言い換えると「足るを知る境地」(森鴎外「高瀬舟」)とでもいいますか。
成長したのかなあ~(笑)。
とはいえ「80点主義」という言葉にもあるように、「8割・80点」でもいいんだけど我が家ではちょっと手を抜きすぎる感がするのでやはりここは「9割・90点」じゃないとダメ。
とまあ、勝手に自分自身に言い聞かせているところだが、具体的に実践例を挙げてみよう。
以下、相変わらず自画自賛気味になるので気になる方はここで撤退されても結構ですからね(笑)。
まずスピーカー(以下「SP」)群の中で我が家の顔ともいえる「AXIOM80」。
グッドマン社(英国)はユニットを製作し販売したが、タンノイのように箱を作らなかった。日本国内で販売されているのはグッドマン社の指定を受けたヤマハ製の箱だと聞いている。
この箱でもいいんだろうが自分には満足できなかった。点数で行けば70点くらい。補助バッフルをつけてウェストミンスターの箱にも取り付けて鳴らしてみたがうまくいくはずもなかった。今となってみると当時はまったくわかってなかったですね。
で、次に取り組んだのが専門誌「管球王国」の記事に刺激されて薄い板厚(1.5cm)の箱を自作したところようやく80点ぐらいに到達。
そして、先日の「AXIOM150マークⅡ」を「重石代わり」と「ドロンコーン」を兼ねて箱に取り付け、「ARU」にちょっとした工夫をすることでようやく90点レベルぐらいに行けたかなあ・・。
あくまでも自己採点ですよ~(笑)。
そして残り1割の「伸び代」となると、さらに大きめの板厚の薄い箱に容れるしかないかなあと思っている。
そして、次に「音質=90点」へ向けての取り組みといこう。
AXIOM80を生かすための「縁の下の力持ち」となる一連のシステムの顔ぶれがこれ。
まずDAコンバーターには「エルガープラス」(英国dCS)の起用。
20年以上も前の製品だが最新機器と比べていっさい聴き劣りしないのだから、つい「腐っても鯛」という言葉を進呈したくなる。
情報量が豊かな音という表現に尽きるが、さらには出力電圧が一番高いのでプリアンプのボリュームをつい落とし気味になる。つまりプリアンプの負担が軽くなる。
「PL100」などの低能率SPを相手にするときなどは、まさに「エルガー プラス」様サマとなる。
次にプリアンプ。
現在3台あるのだが、「AXIOM80」と一番相性がいいのは「安井式」プリ。
一昨日(6日)のこと、読者のお一人から問い合わせがあって、「オーディオ専門誌「無線と実験」に記載されていた安井式プリアンプに大いに興味があります。製作者を紹介していただけませんか」
エッ、20年前の「無線と実験」誌を覚えておられるのだから相当ご熱心なお方である。
「製作者は大分市の方ですが、残念なことに最近身内にご不幸があってとても製作を依頼する状況ではないようです。プリアンプはパワーアンプ以上に音質が変わりますから慎重に選択されることをお勧めします。購入する前に自宅で試聴されたほうがいいですよ」と返事を出しておいた。
そして、パワーアンプは最近、すっかり覚醒した感がある「PX25」。
つい最近紹介したばかりなので概要を省くが前段管に変化があった。
このアンプは「ミュー(増幅率)」の値に応じて3段階の「バイアス」切り替えスイッチが付けられているが、「3A/109B」に代えて「北国の真空管博士」ご了解のもとに、スイッチをそのままにしてミューがやや高い「LS7」(GEC)に代えたところすごく元気のいい音が出てきた。
プリアンプのボリュームを11時から9時に落としたほどで、こっちのほうがいいかなあ・・と、思案中。
電圧増幅管をどういう数値設定で動作させるかで音質がガラッと変わる、それが真空管アンプの魅力であり永遠のテーマだそうですよ。
まあ、しばらくこの状態で聴いてみることにしたが、「9割・90点主義」をモットーにすると随分気が楽になってますますオーディオが楽しめそうですよ~(笑)。
この内容に共感された方は積極的にクリック →