ご存知の方も多いと思うが「疾風に勁草(けいそう)を知る」という故事がある。
「強い風が吹いてきたときに簡単に倒れない草かどうかがわかる」、転じて「困難に直面したときにその人間の真価がわかる」。
(そういえば「勁草書房」という出版社がありましたね。この故事をもじった名前だと思うのだが今も健在かな・・。)
とはいえ、いくら偉そうなことを言っても自分はいつも逃げてばっかりだったけどね。ほら「三十六計逃げるに如かず」という言葉があるでしょうが(笑)。
それはともかく、この故事はどうやら我が家のオーディオにも当てはまりそうな気がする。
というのも、我が家には数系統のSPがあるが、それぞれに個性があって楽しませてくれているが、その中で鳴らしにくいSPの両雄が「AXIOM80」と「PL100」である。
双方ともに「一癖」も「二癖」もあって、相性の悪いアンプをあてがうとものすごくご機嫌が悪くなる。とても神経質だけどピタリとハマったときはそれはそれは得(え)も言われぬ美しい音を出すので、苦労のし甲斐が大いにある。
まあ、アンプは鳴らしやすいSPばかり相手にしているといつも「ぬるま湯」に浸ったみたいで、アンプのほんとうの実力は発揮されないともいえる。
つまり、「疾風に・・」というわけ(笑)。
で、具体論に入ろう。
このところといっても4日ぐらい経つが、ずっとレギュラーの位置を占めている「PL100」スピーカー。
音の魅力は「ブリティッシュサウンド」そのもので「AXIOM80」と並んで我が家の両雄の地位を占めるのに相応しい。
で、今さらだが改めて気が付いた点を二つほど述べてみよう。もちろん、「我が家のオーディオ環境では」という条件付きでの話。
1 アンプの個性を見事に映し出す
先日のブログでも述べたように「低インピーダンス=4Ω」、「低能率=88db」なので、自ずと鳴らせる真空管アンプが限られてくる。
当初は8台のうち小出力の「71系」を除いて4台に資格があると思っていたが、「エンヤ」の曲目で強い入力時に歪む箇所が出てきて「6AR6」アンプ(3極管接続)があえなく脱落。歪みが無ければ、色彩感に富んでいてとても良かったけれど実に惜しい。
で、残るは3台のアンプだが「2A3」アンプは先日のブログで述べたように、取り立てて欠点を感じさせることがなく実に頼もしい。
そして「WE300B」アンプを試してみたところ広大なレンジには気に入ったが、ときによってごくわずかだが歪み気味のところがあり、けっして「PL100」とは相性がいいとはいえないようだ。
たとえて言えば、氏素性はいいもののやや線が細くて強風に弱そうな300B・・、それにひきかえ「2A3」は地頭(じあたま)が良くて、野性味があり実社会に出てもひるむことなく実力を発揮しそうなタイプ、かな(笑)。
明らかに、「PL100」については「2A3」が一歩リードである。
で、残る「英国貴族出身」を忘れてはいませんかというわけで「PX25」アンプを登場させてみた。
およそ3か月ぶりぐらいの通電になる~。
概要は、前段管が「3A/109B」(STC)、「出力管」が「PX25」(ナス管)、整流管が「WE422A」(1959年製)
インターステージトランスが「A19」(UTC)だが、惜しいことにもう少し「容量」が欲しいそうで、それがちょっと引っ掛かっていて長期休養の理由(笑)。
しかし、結果的にはこのアンプが「PL100」と一番相性が良かった。
落ち着き感、奥行き感、色彩感、透明感、品の良さといい、見事な筆遣いの水彩画を思わせるものがある。さすがに出力管とSPの国籍(英国)が一致するだけのことはあるようで。
想像以上の出来栄えで「PL100」にはこのアンプで決まりといこう~。
「PX25」のスペアが急に心配になってきた(笑)。
第2点目は、
2 低音域に不満が出ないのはどうして?
前掲の画像を見て、読者が懸念されるのは「えらい小ぶりなSPだが低音域がちゃんと出てるの?」ということだろう。
オーディオはすべて簡単にはいかないが、とりわけ低音対策が一番難しいと思っている。本格的に対処しようと思ったら一番お金がかかるし、うまくいくかどうかも保証の限りではない。
で、今回のケースでは「サブウーファー」で補う気がしないのが不思議。
たしかにウェストミンスター(100ヘルツ以下)ほどの低音は望むべくもないが、そんな低音が出なくても十分音楽が聴けるという感じ。
「ハーモニー」が美しいので、そちらのほうに耳が集中しているせいなのか・・。
システムの音に自然に耳を合わせられるようになると、お金がかからなくなるので最高ですけどね(笑)。
ま、しばらくこの状態で聴いてみておいおい答えらしきものを探してみましょう。
この内容に共感された方は積極的にクリック →