「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

学歴社会の崩壊

2022年02月23日 | 独り言

「人づくり(教育)は国家百年の大計」と言われているが、ことに日本のような資源に乏しい国では「人材の発掘・育成」が極めて大切なことは周知のとおり。

はたして現在の「教育制度」が時代にマッチしているのかどうか
、そんな御大層なことを一介の「市井の徒」が心配してもどうしようもないが、先日の「日経新聞」に「学歴社会の崩壊」という興味あるテーマが投稿されていた。

投稿者は「小宮山 宏」氏で、現在の肩書は「三菱総合研究所理事長」で、東大工学部教授、学長を歴任された方である。

インタビュー形式だったが紹介させてもらおう。

問「技術やルールが大きく変化するなか、教育は変わりましたか」

答「正直、変化のスピードに追い付いていない。年長者が知識を若い人に教える教育はもう成り立たなくなっている。たとえば、小学校でプログラミングを教えようとすると教師にはできない。これが現状だ」

「欧州では高校卒業後、いったん働いてから大学に入るという動きが広がる。スウェーデンだと大学入学の平均年齢は20台半ばになっている。仕事を経験して学ぶべきことを理解したうえで高等教育を受けることができる。学び続ける好例と言えるだろう」

問「日本の横並び教育で創造性は育めるのでしょうか」

答「変化に向けた兆しはある。たとえば鹿児島・種子島では人工知能(AI)や農業、気象など様々な分野で20大学の教授や学生たちが実験に取り組み、そこに中学生や高校生が加わっている。生徒たちは最先端を目の前で見て体感している」

「そこから未来の社会をどう作り上げていくか、地元首長たちを交えて議論している。教員と生徒という関係ではなく、世代を問わないで一緒に考えて討議する場所を作ることが大切だ。」

問「産業界からはスキル人材を求める声も強いです」

答「いわゆる学歴社会は実質的には壊れている。最近、高専の学生を採用して失敗した例はない、東大卒は成功例がだいたい半分と、企業人から聞いた。高専は今ではAIを学べるところもあり多様さがある。」

「米国では理系トップのマサチューセッツ工科大からコミュニティカレッジまで幅広く高等教育機関がある。それぞれ得意な分野や特徴がある。教育の均質性を重視するのではなく、教育機関の多様性が変化し続ける時代のカギになる」

という、内容だった。

折しも、昨日(22日)地元の夕方のテレビで「高専」の合格発表を放映していた。倍率「1.8倍」と普通高校に比べて非常に高いし、しかも「女性の比率が4割」と昔とは様変わり。

「高専」(高等専門学校:在学期間5年)の人気が高い!

これは明らかに学歴が単なる「箔付け」になっていない傾向を表している。

なお、上記の内容でちょっと気になるのは「工学系」に偏った「ものの見方」のような気もするところで、はたして法律、経済、文学などの「文科系」はどうなんだろうか。

こういう分野での「学歴社会崩壊」はまだ起きてないんじゃないかな~。

「理系」と「文系」のクロスオーバーは至る所でなかなか難しそう。

いずれにしても、高校をいったん出てから社会で仕事を経験し学ぶべき対象を定めてから大学に入り直すという柔軟性には諸手を挙げて賛成。

企業もいたずらに「即戦力」を求めるのではなくて、将来への人材投資と割り切って学費を負担してあげるくらいの度量が必要だろう。

しかし、現実的な問題として社会の荒波に揉まれる中ではたして受験勉強を継続できるかどうか、よほどご本人の強い意志が必要だろう。

少なくとも「お酒」は大敵ですね~(笑)。

また、そういうケースで個人的なライフサイクルからすると「結婚」できるのは何歳ぐらいになるんだろう。

いろいろ課題が多そうだねえ。


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