昨年11月から読み始めた「坂の上の雲」を読み終えた。超大作ですね。司馬遼太郎が40歳から5年をかけて調査・構想を練り、その後4年間かけて書き上げたそうです。40歳から49歳の脂の乗った時期を坂の上の雲の執筆活動に費やしました。
日露戦争における、陸軍、海軍の会戦の様子が事細かに描写されており(といっても、複雑すぎて細部は良くわかりませんでした)、執筆にあたり作者が緻密に調査・研究された御苦労がひしひしと伝わってきます。
この時代は、日本の武士道と西洋の騎士道の最後の戦いを思わせるエピソードがいっぱいです。
相手の勇気ある戦いに、敵の戦死者の墓まで建てて勇気をたたえる気風が双方にありましたね。また、ノーサイドとなれば捕虜でも階級にみあった敬意をもって接する等、今の人間がなくしてしまったものを、普通に持っていた時代のようです。
しかし、この日露戦争の勝利が、その後の日本を変えてしまった。無謀な太平洋戦争への布石となってしまったことは、残念です。でも、太平洋戦争の敗戦があればこそ今の日本がある。複雑な心境です。
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