新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ

全国紙の元記者・中村仁がジャーナリストの経験を生かしたブログ
政治、経済、社会問題、メディア論などのニュースをえぐる

池田大作氏は宗教家というより稀代の大衆運動家

2023年11月20日 | 社会
  宗教家の枠での評価には限界 23年11月20日  11月18日の新聞朝刊を開きましたら、創価学会の全段1㌻のカラー印刷の広告が掲載され、驚きました。「かつての発射口はいま、平和へ向けられている。人を信じ、世界と進む。創価学会」とあります。    「米軍統治下の沖縄には1300発もの核兵器が置かれていた。核ミサイル発射台跡が残っている創価学会沖縄研修道場。核があった場所は、『 . . . 本文を読む

任命責任を問うどころではない日本政治の質的低下

2023年11月14日 | 政治
  トップにも中堅にも人材が不在 2023年11月14日  9月の内閣改造後、政務三役の更迭は3人目となりました。NHKの世論調査でも内閣支持率は29%(7ポイント下落)で瀬戸際の30%を割ってしまいました。普段は高目の支持率が出るNHKでさえこの有様ですから、今後、さらに支持率の下落は続くでしょう。    最近、はやりの「持続可能な開発目標」(SDGs)にちなんで言えば、「持 . . . 本文を読む

解散断念の「首相の誤算」は有権者にとっては朗報

2023年11月11日 | 政治
  世論調査は6割が反対 2023年11月11日  岸田首相は年内の衆院解散を見送ることにしました。主要新聞は「首相の誤算」とか「支持率低迷で追い込まれた」などと書いています。首相にとっては誤算であっても、物価高対策としては無益な定額減税、選挙目当ての浪費とみて、6割が解散に反対(世論調査)していた有権者にとっては「勝利であり、朗報」であると思います。    日本の政治ジャーナ . . . 本文を読む

財政金融の共同作業なくして異次元緩和の出口なし

2023年11月03日 | 経済
  反対方向を向いている政府と日銀 2023年11月3日  日銀が金融政策決定会合で、長期金利の1・0%超えを容認することを決めました。7月に続く長短金利操作(YCC)の修正で、市場関係者は「徐々に異次元金融緩和の出口に向かう」とみています。    朝日新聞に1面トップのそで見出しが「また緩和修正」でした。まづいことをしているような印象を与える。よくない見出しです。「修正」の繰 . . . 本文を読む

中東危機再来なのに経産省が石油部をなくしていた拙速

2023年10月27日 | 経済
  エネルギー政策の主柱が脱炭素化では 2023年10月27日  イスラエルとイスラム組織ハマスが激突し、中東危機で世界が激震に襲われています。今年は第4次中東戦争を契機(1973年10月)とする第1次石油危機からちょうど50年あたりにます。石油危機が再現し、物価高騰、経済停滞が再来するのかが懸念されています。    第1次石油危機の時は、通産省(現経産省)はタイミングよくその . . . 本文を読む

円安・物価高にはまったのは安倍・黒田氏の失政による

2023年10月21日 | 経済
  日本窮乏化の為替政策との酷評 23年10月21日  岸田首相の経済政策が酷評を浴びています。内閣支持率が政権発足以来の最低を続け、衆参の補欠選挙(長崎、徳島・高知)の情勢も厳しく、焦った挙句、1年限りらしい所得減税(対象者は同じ金額の定額減税)をすることを表明しました。経済理論的にも矛盾だらけです。    物価上昇が続いている時に減税すれば、需要が刺激され、物価が上がる要因 . . . 本文を読む

官僚と記者の合作「石油危機50年の回顧録」完成の日に中東危機再発

2023年10月13日 | 経済
  危機は姿を変えて来襲 2023年10月13日  50年前の1973年10月、第4次中東戦争を契機とした世界的な石油危機が勃発しました。当時、通産省・資源エネルギー庁の担当官僚は連日連夜、情報収集、危機対応に追われ、それを伝える記者らも寝食を忘れる日々でした。記者クラブに在籍していた私もその1人でした。    戦後最大の経済危機と闘っているという意識から、危機対応の官僚と記者 . . . 本文を読む

札幌冬季五輪の断念にみる優柔不断による大誤算

2023年10月06日 | 政治
  国も自治体も動きだしたら止められない 2023年10月6日  札幌市は2030年冬季五輪の招致を断念しました。東京五輪における増収賄事件で「平和の祭典」というイメージに泥を塗り、さらに国、自治体に大型プロジェクトを運営する能力がない。予算総額も発表当初は小さく見せかけ、最終的には2倍程度に膨れ上がり、「済みませんでした」と謝る手口が国民に通用しなくなったのです。    市は . . . 本文を読む

「コストカット型からの歴史的転換を」の首相発言は乱暴

2023年09月28日 | 政治
   企業経営の基本を否定したも同然 2023年9月28日  岸田首相は26日、10月にまとめる経済対策の策定を閣議で指示しました。首相官邸で記者団に「物価高に苦しむ国民に成長の成果を還元し、コストカット型経済からの歴史的転換を図る」と述べました。    記者説明では「コストカット型の経済から30年ぶりに転換」と書いたパネルを持ち出しましたから、言葉の上滑りからでた発言ではなく . . . 本文を読む

ジャニーズ事件で警察・検察を叩かぬメディアや識者ら

2023年09月23日 | 社会
  司法の怠慢を問わない内ゲバ論争 2023年9月23日  ジャニー喜多川元社長による性加害事件を巡り、ネット、ワイドショーばかりでなく、街のうわさ話でも連日、大論争が続いています。広告スポンサー企業の社長、財界人まで巻き込み、ピント外れの意見、叩きやすいところを叩く類の主張もあふれ、とどまるところを知りません。    ジャニーズ騒動で最も欠けているのが4、50年近くにわたって . . . 本文を読む

世襲議員の再生産で政界がたどる縮小均衡を示す内閣改造

2023年09月15日 | 政治
  民間企業なら倒産している別世界 2023年9月15日  岸田首相が内閣改造と自民党役員人事を行いました。「女性抜擢、刷新感アピール」(朝日新聞1面)、「女性登用、首相が転換。支持率上げ衆院解散」(同3面)、「年内でも衆院解散できるよう狙う」と、朝日新聞までが岸田内閣の広報担当紙の印象です。    世論調査をみると、内閣改造は評価されていません。読売新聞(15日)は「支持する . . . 本文を読む

50年ぶりの円安と40年ぶりの物価高によるインフレ税

2023年09月09日 | 経済
  異次元緩和策の「目的外使用」 2023年9月9日  円の実力(実質実効為替レート)は「50年ぶりの低水準」、円安と海外資源高で消費者物価は「40年ぶりの高騰」です。歴史的な異変と言えましょう。物価は11か月連続で3%超(政策支援をなくすと4%台)です。ガソリン価格まで円安で1㍑=180-190円で「15年ぶりの高値」です。    円安阻止のために、政策金利を上げていくべきな . . . 本文を読む

政治家にこそ「学び直し(リスキリング)」を課すべきだ

2023年09月02日 | 政治
  民間にばかり要求する無責任 2023年9月2日  成長分野への円滑な労働力の移動などを促すための「学び直し(リスキリング)」を岸田政権は重要政策と位置づけ、5年間で1兆円を投入するという。衰退産業から成長産業への人材移動が必要なことは間違いない。    日経新聞が「リスキリングサミット2023」を開き、岸田首相、茂木自民党幹事長がメッセージを寄せています。二人の発言を聞いて . . . 本文を読む

あらゆる分野で秩序と規範の崩壊が進行する世紀

2023年08月27日 | 国際
   何が真実かを問う意味も失う 23年8月27日  この7、8月ほど歴史の実相が集中的に姿を現した年も珍しいと思います。あらゆる分野でこれまでの行動規範が急激に変わり始め、何を信じてよいのか、何が真実なのかを問うことが虚しくなる夏になりました。これから列挙するのはほどんどがこの夏の出来事です。    「規範」とは何か。「判断、評価、行為などが依拠する規則、基準である。法規範、 . . . 本文を読む

解散などするな、多すぎる国政選挙は民主主義を破壊する

2023年08月18日 | 政治
  政策を乱造し財政が悪化 2023年8月18日  岸田内閣の支持率が政権発足以来の最低を更新しています。世論調査では毎日新聞が28%、時事通信が26%、読売新聞が35%など、目を覆うばかりです。もう解散できる政治的状況ではないし、頻繁に総選挙をやるべきではないのです。解散できないし、やるべきでもない。    それにもかかわらず、政治ジャーナリズムは「支持率下落で年内の解散は困 . . . 本文を読む