原発回帰に立ちふさがる難題
2023年8月10日(下)
(2) 防潮堤を甘くみた報い、福島原発事故で全て台無し
オイルショック当時は、官僚が力を発揮できた時代で、通産省、資源エネルギー庁の活躍で、日本の省エネルギーの経済構造への転換に成功し、経済成長率が高まっていく時代でした。それがオイルショックからざっと40年後の2011年3月、福島第一原発の事故で全てが台無しになりました。事故 . . . 本文を読む
原発回帰に立ちふさがる難題
2023年8月9日(中)
便乗値上げ分析の産業連関表をスクープ
当時の新聞の縮刷版をみると、「ついに石油割り当て立法」、「石油耐乏生活スタート、緊急対策決まる。暖房温度20度、テレビ、車自粛」、「灯油1缶288円。モノ不足、物価加速」などという見出しの記事が連日、第1面に載っています。
年が明けて1月、山下英明・事務次官が記者会見で「 . . . 本文を読む
原発回帰に立ちふさがる難問
2023年8月8日(上)
(1) 官僚の力、新聞の力があった頃の石油危機
(2) 防潮堤を甘くみた報いから原発事故起こす
(3) 脱炭素政策で原発回帰を目指すも課題山積
今年の10月は、第4次中東戦争を契機とする第1次オイルショック(1973年)から50年になります。私は当時、通産省の記者クラブに在籍し、石油危機に揺れる激動の時代を取材 . . . 本文を読む
物価高で国民の悲鳴が聞こえる
23年7月29日
日銀は28日、長期金利の上限を「0・5%」から「1・0%」に事実上、引き上げることを決めました。植田総裁は市場機能の低下という副作用を減らすための「金融政策の柔軟化」が狙いだと、記者会見で表現しました。日銀関係者にしか意味が分からない悪文の典型です。
新聞の社説は「これまで以上に丁寧な説明が求められる」(朝 . . . 本文を読む
民生より軍拡優先を批判すべきだ
2023年7月20日
中国の4-6月のGDP(国内総生産)が前年同期比6・3%にとどまり、中国経済の回復が鈍い。日本の新聞も大きく報道し、「世界経済の成長にも波及」と懸念しています。懸念すべきことなのでしょうか。
軍拡路線と対外的な膨張政策を続け、米国との覇権争いに勝とうとしている中国の経済が減速し、経済力の面から軍拡にブレーキがかか . . . 本文を読む
日経のインタビューに登場した背景
2023年7月8日
日経新聞の一面に7日、内田・日銀副総裁が応じた不思議なインタビュー記事が載りました。10年以上にわたる長期の異次元金融緩和の修正(出口)を示唆したと受け取るしかない発言内容です。
日銀総裁のインタビューならともかく、単独インタビューとはいえ、副総裁の発言が一面で目立つように扱われ、さらに中面で紙面の半分以上を使っ . . . 本文を読む
ひたすらゼロリスクの日本人
2023年7月2日
西大西洋で沈没したタイタニック号の見学ツアーに向った米オーシャン・ゲート社の潜水艇「タイタン」が深海で水圧につぶされ、5人全員が死亡しました。米当局が「水圧で破壊。主要部分の破片を発見」と発表すると、「なぜ大金をはたいて、危険なツアーに参加するのだろう」と、多くの日本人は息をのんだことでしょう。
このツアーには、潜水艇 . . . 本文を読む
円安と物価高で税収増を図る
2023年6月26日
円が1㌦=143円(26日現在)まで下落し、為替安もあり、5月の消費者物価は3・2%まで上がりました。9か月連続で3%を超え、政策効果(物価抑制の補助金政策)がなければ実質4・3%というインフレ状態です。引き締めを続けている米国の4%を上回ります。それなのに日銀は動きません。
メーカーは商品の容量を減らし、見かけの価 . . . 本文を読む
頻繁な国政選挙は財政悪化の元凶
23年6月20日
岸田首相が今国会での解散見送りを表明したと思ったら、メディアはまた自民党のペースに乗せられて「首相は解散カードを温存し、10月に衆院議員の任期の折り返し(2年)迎えることから、解散に踏み切りやすい」などと、解散風をもう書き始めています。
日本の政治ジャーナリズムを担うはずの新聞、テレビの政治部は、もっぱら目先の政界 . . . 本文を読む
動かない植田総裁に催促の声
2023年6月13日
東京株式市場で週明けも勢いが止まらず、13日、株価はさらに上昇し、終値は580円高で3万3000円台でした。3万円を超えた頃から、外人投資家が主導するバブル発生との見方もあり、高値警戒感が急速に強まってきました。
それにもかかわらず、株価は3万1000円台、3万2000円台と上昇し、32年ぶりの高値を記録しました。年 . . . 本文を読む
規制しようにもグレーゾンが多い
2023年6月11日
人間が作ったような文章、画像を作成する生成AI(人工知能)フィーバーが起きています。AIは人々の暮らしに浸透し、技術、社会、経済、政治を含め、時代を変える「100年に一度の衝撃」になるかもしれないそうです。
雑誌「プレジデント」や「ダイヤモンド」が「ChatGPT仕事術大全」、「ChatGPT完全攻略」という大特 . . . 本文を読む
紙面は踊れど進む空洞化
2023年6月2日
将棋の藤井聡太竜王(20)が20歳10か月でが渡辺明名人(39)を破り、名人位を獲得、史上最年少で七冠を制覇しました。20歳の青年がこのような偉業を成し遂げられることに多くの国民が喝采しました。
名人戦の主催者は朝日新聞、毎日新聞で、朝日新聞は1面トップ、紙面の大半を使いました。第2面も「進化した将棋AIが盤上の技術を変革 . . . 本文を読む
財政再建は財務省の謀略とみた安倍氏との違い
2023年5月29日
米国の国債発行額の法定上限を引き上げることで、バイデン大統領と野党・民主党が基本合意に達しました。日本のメディアは交渉が決裂すれば、米国債が債務不履行(デフォルト)に陥り、マネー市場が大混乱に陥るため、大々的に報道してきました。
市場は交渉結果を好感し、日本の株も29日、500円高の3万1400円で寄 . . . 本文を読む
大新聞から個新聞への転換
2023年5月21日
人と会話しているような文書を生成する対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」などに対して、議論が沸騰しています。なかでも紙の新聞に頼っている新聞界の危機感にはただならぬものがあります。
生成AIの技術を駆使すれば、個人の志向、嗜好に合わせた新聞を個人ごとに編集することさえできるようになるに違いない。「大新聞」で . . . 本文を読む
「見えるか化」で緩和の代償を示せ
2023年5月13日
植田・日銀新総裁は過去25年間の金融政策について多角的なレビュー(検証)をすると明言しました。大いに期待するとして、それにしても異次元金融緩和の結果や効果はもちろん、その裏側に隠れているコスト、代償について隠し事があまりにも多かったように思います。
一種のカモフラージュでしょう。国民が知りたい本当のところを説明 . . . 本文を読む