政治不安がマネーばらまく
2024年3月8日
泥沼状態にはまった米大統領選、岸田政権の支持率の急落といい、日米ともに深刻な政治危機に陥っています。その中で株価は両国とも史上最高値を更新しました。政治的安定がマネー市場の安定に欠かせないという常識がもう通用しないようです。政治不安から財政金融の膨張策が長く続き、大量のマネーが市場に供給された結果なのでしょうか。
金価格 . . . 本文を読む
稀にみる政治改革の好機到来
3月2日
自民党派閥の裏金事件を巡り、2日間わたる政治倫理審査会が行われ、日本が政治を刷新する好機がきたのに、虚しく時間を空費しています。新聞、テレビも説教調の報道を続けていれば、自民党が自ら改革に動きだすとでも思っているようです。
岸田政権支持率も自民党支持率も20%台に低下し、「支持政党なし」は50%台まで上昇しています。こんな時でも . . . 本文を読む
筆頭株主が日銀という奇形な市場
2024年2月23日
株価が3万9000円台をつけ、34年ぶりに最高値を更新しました。4万円超えの強気論も浮上しています。全国紙はどこも1面トップの扱いで、日経新聞の1面は紙面のほぼ全部を占める「全段ぶち抜き」、関連記事に何ページも割く力の入れようです。
日経は「ついに天井を突き抜けた。もはや『バブル後』ではない。株価は上がらないもの . . . 本文を読む
3万8900円の実質価値は2万700円
2024年2月16日
日本の株価が34年前につけた史上最高値3万8915円の圏内にまで高騰しました。過去34年間の平均インフレ率0・6%を加味すると、実質的な最高値は5万7000円になるはずです。チャットGTPに質問しましたら、そういう回答でした。そこまで高騰しないと、通貨価値が同等にならない。
株価は景気動向、インフレ率、企 . . . 本文を読む
罪は民間人に押し付ける
2024年2月9日
週刊文春は「五輪汚職、高橋被告が独占7時間」というインタビュー記事(2月15日号)を掲載し、五輪組織委員会に高橋被告を理事として招き入れた安倍、森元首相に憤懣をぶちまけています。「なぜ俺が全ての罪を被るのだ。政治家はどうなのだ」との怒りを文春砲は伝えています。
スポンサー契約を巡り、約2億円の賄賂を受け取ったとする事件で、 . . . 本文を読む
2人の高官の去り際のドラマ
2024年2月1日
日経新聞で定期的な購読者が最も多いと思われる連載コラム、著名人による「私の履歴書」(1か月)に異変がありました。昨年11月に財務省財務官OBで日銀総裁を務めた黒田東彦氏、今年の1月には事務次官OBで東京五輪組織委員会の事務総長だった武藤敏郎氏が登場したからです。
黒田氏(1944年生まれ)は国際金融、武藤 . . . 本文を読む
小さな政治論の各論が優先
2024年1月29日
連日、自民党の派閥の解消、裏金事件の追及が新聞、テレビ、ネットでにぎわっています。この1、2か月、同じようなニュース、コメントばかり溢れ、もう飽き飽きしている人が多いでしょう。私もそうです。
「派閥とカネの悪弊を今度こそ断ち切れ」(日経社説、1/26日)、「規正法の罰則強化も欠かせない」(読売社説、同)、「政治資金の流 . . . 本文を読む
時代の中核的世代が政治を担え
2024年1月20日
政治資金の還流疑惑事件で、東京地検特捜部は安倍、二階、岸田派を立件したものの、会計責任者らだけを起訴し、幹部議員は見送りという尻切れトンボの幕引きになりました。検察も自民党も正体を見せたのです。
予想された通りの結末になる一方で、安倍派(96人)、二階派(38人)、岸田派(46人)の3派が派閥解消を決めるという予想 . . . 本文を読む
証券業界紙的な体質の修正を
2024年1月11日
日本の株価が9日に33年ぶりの高値、終値は3万3763円をつけました。11日も3万5000円の高値でした。年内には1989年12月のバブル期の史上最高値3万8915円を更新すると、はやす声も聞かれます。
能登の大地震災害、羽田空港の航空機衝突事故、国会議員の相次ぐ逮捕と、暗いスタートを切った2024年にとって、株高は . . . 本文を読む
ドキュメントと経済理論の対決
2024年1月4日
植田・日銀総裁の下で異次元金融緩和からの転換が始まろうとしています。タイミングよく中公新書から「財政・金融政策の転換点」(飯田泰之・明大教授)、岩波新書から「ドキュメン 異次元緩和」(西野智彦・元TBS報道局長)が出版されました。筆者も主張も好対照です。
ジャーナリストの手による岩波新書では、安倍・元首相が主導した . . . 本文を読む
資金疑惑が集中する安倍派の再評価
2023年12月29日
21世紀に入り、特にこの10-20年、世界的に多次元の分野で歴史の歯車の逆回転が加速しています。世界も日本も、外交、政治、経済、社会もそうです。大きな問題から身近な暮らしの問題まで、われわれは「歴史をご破算に願いまして」の時代にほんろうされている。これが今年1年の総括です。
既存の枠組みが無残に崩壊し続けてい . . . 本文を読む
何もかも政府頼みだから危機が来る
2023年12月23日
政府は総額112兆円もの来年度予算案を決めました。2年連続で110兆円台を超え、6年連続で100兆円を超えることになりました。異次元金融緩和はやっと「出口の入り口」にたどり着いたようです。予算編成を見ていると、財政は先進国最悪の状態からの「脱出」、「出口」はまだまだ先です。
いつ起きても不思議ではない大震災が . . . 本文を読む
アベノミクスでぬるま湯に浸かった
23年12月17日
日銀は18、19日に金融政策決定会合を開き、10年以上続く大規模金融緩和(異次元緩和)政策の方向転換をさらにどう進めるか議論します。植田総裁が「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と発言(12月7日)した直後の会合です。「本当に本気なの」と注目されています。
安倍派の裏金疑惑で政局が大混乱しているので . . . 本文を読む
政界版の資金洗浄に相当か
23年12月9日
自民党最大派閥の安倍派で中枢幹部6人がパーティー券収入から多額のキックバック(還流)を受けていた疑いで、東京地検特捜部が捜査しています。捜査対象はもっと大勢の議員です。次々に情報がリークされ、更迭は松野官房長官にとどまらず、岸田内閣は空中分解するでしょう。
空席となった閣僚ポストを受ける議員は、岸田内閣という泥船に乗ること . . . 本文を読む
日本経済の国際的地位の低下も無視
2023年12月1日
黒田東彦・日銀前総裁が11月、日経新聞の人気コラム「私の履歴書」に登場し、驚かされました。「退任後、1年も経たないのに登場したのは異例すぎる」、「巨額の国債発行を日銀のファイナンス(大量購入)で助長したつけは大きい」、「円の通貨価値(ドル建て)が円安で下落し、日本経済の国際的な地位の低下を招いた」など、論点はたくさんありました。
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