方向転換が始まった日ロ交渉
2016年12月16日
安倍首相の郷里山口県にプーチン露大統領を迎えて行った首脳会談は、予想通りの結果になりました。初日の会談内容の説明もあっさりしており、「北方4島は日本に返還しないよ」と言われたのに等しいとの印象を受けます。首相の当初の期待が甘かったのか、失敗しても大統領を招待したほうが政治的な得点になると考えたのか。その双方でしょう。
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大統領の器ではなかった朴氏
2016年12月10日
韓国の朴大統領が弾劾訴追を受けることになりました。本来なら日米韓の結束をアジアにおける安定の軸にしなければなりません。混乱の長期化は両隣りの国を喜ばせるだけです。反日を軸に国家運営などしても、経済は発展しないし、アジア外交もうまくいかないということに目覚めてほしいですね。
どうして朴槿恵氏のような人物を大統領に選んで . . . 本文を読む
いつまで続く政治的な玩具
2016年12月4日
北方領土交渉をテーマにした日ロ首脳会談(16日)が迫ってきました。「正念場を迎える」、「最大のヤマ場となる」とあおってきた新聞などは、「大きな一歩を進めるのは簡単ではない」(日経社説)と、論調を大きく転換させました。ロシアに安倍政権が踊らされ、いくつかの新聞は安倍官邸に踊らされてきました。
ロシアは北方4島を日本に返還す . . . 本文を読む
義務としての在日駐留軍経費の分担
2016年11月27日
トランプ次期期米大統領は「アメリカ第一主義」(アメリカファースト)の名のもとに、日本にもかなりの難題をぶつけてくるでしょう。日本も受け身でなく、準備態勢に入ったほうがいいですね。トランプ氏が重視している安全保障予算、中でも在日駐留軍経費の負担問題は大きな焦点です。
以前から気になっていた . . . 本文を読む
「トランプはない」との断言の検証を
2016年11月19日
安倍首相がトランプ次期米大統領と会談し、いい雰囲気だったと、メディアは伝えております。そこで思い出すのは、本を書けばベストセラーになる池上彰氏が一年前に出版した「大世界史」(文春新書)での大予言です。「トランプ氏は勝てません」と断言しました。忘れていませんよね、池上さん。大統領選の結果を分析をするようお勧 . . . 本文を読む
両陣営が見苦しいウソのつきあい
2016年10月11日
米国の大統領選を前にしたテレビ討論で、クリントン(民主)とトランプ(共和)両氏が見苦しいいがみ合いを続けています。「これまでで最も不快なテレビ討論」という評価のようですね。米国は最も進んだ先進国、民主主義国であり、大統領候補がそれにふさわしい人格と品性を備えているはずなのに、違うのですね。
思い出すのは初代大統領 . . . 本文を読む
群を抜くメダル獲得作戦
2016年9月17日
リオデジャネイロ・パラリンピックが間もなく終わります。鋭い時代感覚を持つ友人が「中国のメダルの獲得数は恐るべし。それに比べ日本は見る影もない。この差は一体、何だろう」とのメールを送ってきました。どうも中国には外交的、政治的目的が潜んでいるようです。さらに「日本のメディアはなぜ選手の活躍にしか目がむかないのだろうか」というきつい . . . 本文を読む
本音は返還より極東開発の推進
2016年9月5日
安倍首相とプーチン大統領の首脳会談があり、首相は「北方領土問題で進展へ手応えがあった。具体的に進めていく道筋が見えてきた」と語りました。大統領も領土問題で「我々はきっと問題を解決する」など、一見、期待が持てそうな雰囲気ですね。領土問題はこれまでずっと、動きそうで動かない、動かないのに動きそうな演出だけはしきりの、繰り返しでした . . . 本文を読む
格差の拡大が社会を分断
2016年6月30日
EU(欧州連合)の分裂危機ほど、無数の問題点の指摘、解説が飛び出していることも珍しく、どれもがもっともらしく聞こえてきます。動揺を始めていた活断層があちこちで動き出した感じです。どれが本震、予震、余震かもはっきりしません。私は、最も本質的な震源は、国民投票を公約したキャメロン首相の失敗、はびこるポピュリズムというより、転換期に入っ . . . 本文を読む
経済連携TPPはご破算も
2016年6月25日EU
欧州連合(EU)からの英国離脱で、「よもや」、「まさか」が現実になりました。予想可能な「連続的な変化の時代」から、予想不可能な「非連続的な変化の時代」に入ったようです。われわれの常識を支えていた世界の枠組みが突然、常識を覆して過去へと逆流してしまう時代になりました。
非連続は、これまで蓄積してきた過去からの断絶を意味 . . . 本文を読む
売り放題の通常兵器をなぜ野放し
2016年6月9日
G7サミット(先進国首脳会議)で来日したおり、オバマ大統領は現職として初めて被爆地、広島を訪れ、多くのメディア、識者は、「核兵器なき世界へ」の歴史的な意義を絶賛しました。そのことにまったく異論は唱えません。異論があるのは、もう一つの深刻な問題が、オバマ・フィーバーの影に隠れてしまっていたことです。
米 . . . 本文を読む
学者に欲しい抑制した表現力
2016年4月17日
「第三次世界大戦」に対する懸念をしばしば聞くようになりました。中東複合危機が深まり、それに欧米、ロシアなどの介入や思惑が絡み、中東情勢の構造が複雑化し、「第三次世界大戦」に近づいているか、そうとでもいえる状況にすでにあるというのです。ここで注意すべきは、誇張された表現はテロリストを喜ばすことになるということです。
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日本が自分で守るのが先
2016年4月14日
日中対立の象徴である尖閣諸島で軍事的な有事が発生した場合、米軍が日本の支援にかけつけ、一緒に戦ってくれると信じている人は多いはずです。実際は、そんなに甘くないみたいですね。
2014年4月、日米首脳会談でオバマ大統領が「日本の施政権下にある領土は、尖閣諸島を含め、日米安保5条の適用対象になる」と、明言しました。歴代大統領は . . . 本文を読む
今こそ敵性国家の弱点の発見を
2016年1月6日
書店であまり期待もせずに、昨年末に買って読んだ本の題名は、「日本の敵 よみがえる民族主義に備えよ」でした。元外交官の宮家邦彦氏の新書です。よくあるタイトルです。「聞き飽きた指摘、主張だろう」と思いながら、読み始めてみると、趨勢分析に基づく長期的戦略思考の重要性をくどいほど繰り返しています。
そこへ北朝 . . . 本文を読む
無視されても日本は主張すべき
2015年12月5日
イスラム国テロに対する国際包囲網を敷こうとしている時、その中心的な国である米国で、自国民による、自国民に向けた銃の乱射という惨劇が起きました。銃の購入、所有が事実上、野放しなっているのです。「こんどこそ銃規制の実現を」の声が高まるでしょう。高まってもいつものように、うやむやにされるのか、今度はそうはいっておれない、とな . . . 本文を読む