長期戦略なき小手際の対応ばかり
2022年9月23日
大規模金融緩和の継続と利上げ回避を日銀総裁が記者会見で発表中に、円は1㌦=146円を突破し、慌てた政府は24年ぶりの円買い介入を実施しました。140円台前半まで円は戻したものの、介入の効果は限定的なようです。
鈴木蔵相、黒田日銀総裁の会見を見ていると、異次元金融緩和と財政拡張政策を10年近く続けたため、身動きがと . . . 本文を読む
まるで「円の国葬」ではないか
2022年9月5日
130円台前半まで戻した円は再び下落に転じ、1㌦=140円をつけ、24年ぶりの安値を記録しました。米FRB(中央銀行)のパウェル議長は「経済に影響が出てもインフレ抑制を優先する」構えで、政策の方向性について意思を明確に示しています。
欧米の金融引き締めに対し、日本は超金融緩和を継続する構えで、「日本だけが別の世界にい . . . 本文を読む
後輩の次官を怒鳴りつけた硬骨漢
2022年8月4日
大蔵省(現財務省)の事務次官だった吉野良彦氏が91歳で死去しました。財務省のドン(ボス)といえば、長岡実氏(事務次官を退官後、最後は東証理事長)が有名で、吉野氏はその後を継ぐドンでした。
1928年の入省、86年から二年間、事務次官を務め、「吉野悪彦(ワルヒコ)」という異名がつけられていました。最近の官僚の相次ぐ不 . . . 本文を読む
世界が注目する孤高の大規模緩和
2022年7月23日
欧米を始め、世界の63か国が今年前半、インフレ抑止のために、金利を引き上げている中で、日本は大規模緩和政策の維持、金利の据え置きを決めました。円安も1㌦=140円突破に向かい、消費者物価は上昇しています。
孤高の異次元緩和政策を続けていくと、日本経済はどういうことになるのか。「やってみなければ分からない実験みたいなことに挑 . . . 本文を読む
人口減少も歓迎すべき変化
2022年7月18日
中国の経済社会問題で日本のメディアが大扱いしているのは、経済成長の失速と人口減少です。いままでのペースで中国が経済成長し、人口もどんど増えていったら日本はおろか世界の脅威であり続けます。
むしろ中国の経済低迷と人口減少は、日本や世界にとって歓迎すべきことです。ロシアのウクライナ侵略を傍観、黙認している中国を批判しながら . . . 本文を読む
異形の政策に苦悩が滲む
2022年6月25日
黒田東彦氏と中曾宏氏は13年2月、日銀の正副総裁に就任し、アベノミクス・異次元金融緩和政策を推進しました。中曾氏は18年3月、5年の任期が切れて退任しました。同氏による回顧録「最後の防衛線/危機と日本銀行」(日経出版)が出版されました。
バブル崩壊(1990)後の金融危機対策から書き始め、異次元金融緩和の出口論に至る700頁もの大 . . . 本文を読む
パニックが起きるまで待ちの姿勢
2022年6月19日
世界がインフレ防止で一斉に金利を引き上げている中で、日本だけ一国が動かず、円安が1㌦=150円程度まで進むとの観測です。景気後退を覚悟しても引き締めにかかっている欧米とは真逆のスタンスです。
異次元の金融緩和と財政出動を続けてきた日本は、「進むも地獄、退くも地獄」という出口のない泥沼に陥っています。黒田総裁の記者 . . . 本文を読む
日銀史上で最大のミステークになる恐れ
2022年6月14日
NYダウの1000㌦下落に続き、14日の東京市場は寄り付きで500円安、2万6500円という波乱の展開です。米国は金利引き上げ路線を走っているのに対し、日本は日銀総裁、官房長官、政策担当機関は「急速な円安を憂慮する」との発言を繰り返しているだけです。そのことこそ憂慮します。
欧米は金融緩和の出口戦略を展開し . . . 本文を読む
主要国は設立し政治を監視
2022年6月9日
政府は経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)と、「新しい資本主義」の実行計画を閣議決定しました。「骨太」とはよくいったもので、その中身に対しては「野放図な財政支出」(読売新聞社説)、「歳出拡大の圧力が増大」(日経社説」の悪評が聞こえてきます。
中央銀行が独立性を失い、財政と一体化してしまいました。主だった国ならどこで . . . 本文を読む
軍事大国への歯止めになる景気後退
2022年5月20日
バイデン米大統領が日韓両国を訪問し、首脳会談に臨みます。インド太平洋地域で存在感を増す中国をにらみ、米国は主導権を確保しようとしています。ロシアのウクライナ侵略から学んだのは、暴虐に走る専制主義国家への備えを固めておかなければならない時代に入ったことです。
日本のメディアも軍事外交面での対中政策の強化は最重要課 . . . 本文を読む
社説も物言わぬ日本のメディア
2022年5月10日
連休明けから、株価が急落し、9日は680円安、10日も470円安で始まりました。輸入物価の上昇を招いている円安は1㌦=130円が続き、4月の消費者物価は1・9%という7年ぶりの大幅な上昇です。
日銀の黒田総裁も、円安容認の発言をやっと「急速な円安はマイナス」と修正するようになりました。ではゼロ金利政策から転換するの . . . 本文を読む
金利機能の回復で財政膨張も修正を
2022年3月19日
米国がインフレ抑制に向けて金利引き上げに踏み切り、今年7回の利上げを想定しているとの姿勢を示しました。市場に大胆かつ明瞭な方針を伝えました。一方、日銀は18日の金融政策会合で「現在の金融政策を修正する必要はない」ことを確認し、欧米とは真逆な政策を継続する構えです。
米国との金利差が広がれば、1㌦120円以上にま . . . 本文を読む
経済記事に安全保障感覚が必要
2022年3月8日
中露の関係強化に後押しされ、ロシアのウクライナ侵略が続く一方で、中国経済の減速が報じられています。私は歓迎すべき傾向だと思っています。日本のメディアには、例えば「人口の少子化は中国の経済成長を抑制しかねない」といった記事が掲載され、安全保障感覚のなさに失望しています。
ロシアの侵略、暴虐が続き、ウクライナは地獄のよう . . . 本文を読む
実態との誤差がある政府統計
2022年2月5日
駅前のスーパー、西友は品揃えが豊富、価格も安く、週に何回か買い物に行きます。セルフレジ(店員でなく、お客が自分で決済)の流れはよく、しかもカード決済をすると、3%OFFだからうれしい。コロナ対策を兼ね、セルフレジの愛用者が増えていました。
その西友から昨日、「割引終了のご案内」という知らせがきて、「えっ。何でまた」と思 . . . 本文を読む
金融緩和の出口はあるのか
2022年1月22日
米欧がインフレを警戒して、長期にわたる大規模な金融緩和から抜け出そうとしています。日本では、史上空前の財政拡大が異次元金融緩和と直結しており、日銀は身動きが取れず、もがいています。
13年4月から異常な金融緩和を積極的に続けてきたのは、黒田総裁の個人的な金融政策思想によるところが大きく、安倍・元首相がそこに目をつけ、ア . . . 本文を読む