それより日本人力士の育成を
2015年11月25日
相撲協会の諮問機関・横綱審議会には、かねてから「何のための存在なの」と、不満を抱いてきました。またまたですね。いわゆる大新聞などの元トップらが委員に名を連ねています。幼い言動を重ねるくらいなら、ジャーナリズムの現状のほうをもっと心配したらと、思いますね。
大相撲九州場所で、横綱白鳳が奇襲の一手、猫騙しを下位力士に使い、ひんしゅくを買いました。場所中に病で急逝した北の湖理事長は「横綱としてありえない」と批判し、力士に対する最後の苦言となりました。相手力士の目の前に、両手を突き出し、パンと手のひらを叩き、驚かせ隙を突く戦法です。弱い力士が上位の力士に繰り出す奇襲作戦だそうです。
やるべき宿題を忘れた横審
北の湖理事長の苦言に続いて、横綱審議会の委員長(千葉大名誉教授)も「同感だ」と発言しました。横綱の猫騙しは横綱相撲にはふさわしくないのかもしれません。かつての大横綱の発言ならともかく、横審(よこしん)も発言しますか。やるべき仕事が他にあるだろうよ、ですね。
1月場所で物言いがついて取り直しとなった一番で、不満の白鳳が「勝っている相撲だった。帰ってビデオを見た。悲しかった」と、審判を批判しました。この時も大騒ぎとなり、横審は「反省すべきは横綱本人だ」と、斬って返しました。横審が立ち入る次元の問題ではなかろうと、思いましたね。そうしましたら、今度は猫騙し批判です。
子供じみた猫騙し
大きな宿題を持っているはずの横審が、素人でもいいそうなことをしきりというのを聞いていると、こちらがはぐらかされます。ハッとする、ぐっとくるようなことでもいうのかなと思っていると、子供じみた発言が返ってくる。これこそ猫騙しです。
横綱を推挙するのが横審の大仕事です。横綱をはじめ、上位力士はモンゴルなど外国人の進出が目立ちます。「どうしたら日本人横綱をつくれるのか、日本人力士を養成できるのか」をもっと心配すべきです。せっかくの国技なのに日本人横綱が1人もいなくなった現状を見つめ、打開策を考えるべきでしょう。そうした能力に欠けているから、子供でも分るようなことばかりいうのです。
新聞社の元トップの指定席
次に審議会に外国人が1人もいないことです。国技だからそうなっているのでしょうか。幕内力士に占める外国人の存在を考え、日本人ばかりの委員構成を改めるべきです。外国人の幹部社員が増えてきたのに、役員は日本人ばかりという社会は相撲界くらいでしょうか。相撲協会、横審がもっと外国人をはじめ、幅広い分野から人材を集めれば、相撲界の発展につながるでしょう。横審委員にはそのくらいの見識はありそうなものです。
最後に一言。委員には毎日、日経、中日新聞社の元トップが就任しています。以前は朝日、読売、NHKなどのトップずらりと座っていました。相撲協会は相撲の普及、八百長批判封じにはかれらが役立つと思ったのでしょう。そんな時代ではありません。かれらの出身母体のマスコミがネットメディアの攻勢にたじたじとなっています。元新聞社のトップがずらりと顔をそろえることのおかしさに気づいて欲しいですね。
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