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「愛子さま20歳」で女性天皇の容認派が増えよう

2021年12月01日 | 社会

 

「男系男子」では皇室はもう限界

2021年12月1日

 天皇、皇后陛下の長女愛子さまが1日、20歳の誕生日を迎えました。御所内庭におけるスナップ写真は清々しく、落ち着き、気品に溢れています。

 

 眞子さま騒動で悪化した皇室のイメージを、一気に拭い去ったという印象を受けます。学習院初等科の生徒だった時、「通学に強い不安感を訴え学校を休んでいる」(宮内庁)時期を忘れさせる立派な成人です。

 

 安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有職者会議が30日、開かれ、12月6日の次回会合で骨子を示し、年内に報告書をまとめるそうです。女性宮家の創設、旧宮家の男系男子の皇族復帰の案が検討されています。

 

 皇室の担い手の高齢化、結婚による女性皇族の離脱が進めば、皇室そのものの存続が危ぶまれます。最も重要なのは女性宮家の創設、女性・女系天皇の容認、具体的には「愛子天皇」の道を開くことです。

 

 憲法第一章には、「天皇は日本国の象徴」「皇位は世襲」とあり、「男系男子」は皇室典範の規定ですから、法律改正で修正できます。「男系男子」は明治憲法下の旧皇室典範で規定され、それを引き継ぎました。

 

 当時の「男尊女卑」の社会を反映していたうえ、皇后から「男系男子」が生まれてくるとは限りませんから、「側室の容認」(側室が男子を生む)がセットになってこそ存続できました。時代にあった修正が必要です。

 

 世論調査では「女性天皇容認」が圧倒的で、賛成は共同通信85%、NHK82%、朝日新聞76%などです。愛子さまが成人した様子を見て、この支持率は高まっても、下がることはでしょう。

 

 「男系男子はずっと維持されてきた日本の歴史」「神武天皇以来の天皇制の伝統を守れ」などと、保守派、右翼、旧勢力、それを取り巻く識者らが主張してきました。日本会議などの右系の政治団体が今も、世論や国民感情を無視し、政治家も動いています。

 

 「神武以来、126代の天皇制の伝統」といっても、初代から14代までは「神話時代の天皇」(古事記、日本書紀)で実在が疑わしい。神話の部分がある天皇制の歴史にのめり込み、神聖視するのは時代錯誤です。

 

 「女性天皇」も過去に8人存在した。「史上初の天皇は女性の推古天皇」だし、国号が倭から日本に変わり「日本としての初の天皇も女性の持統天皇」と主張する歴史研究者もいる。「男系男子」が日本の伝統ではない。

 

 政府の有識者会議は、皇位の安定的な継承を諮問されていたのに、いつのまにか論点がすり変えられてしまったようにみえます。新聞にリークされた内容も、肝心の女性天皇・女系天皇論を素通りする案です。

 

 「女性・女系天皇を議論せず。法整備も見送り。男系男子が皇位を継ぐ制度を維持」(読売新聞、2/16日)は、観測気球ではなく事実だとしたら、旧勢力が主張してきた案です。

 

 「女性宮家は見送り。女性皇族は結婚後に特別職公務員に。皇女制度を創設」(同11/24)はどうでしょうか。事実なら、ワナが仕掛けられています。女性宮家を潰すのが皇女制度だと、専門家は指摘しています。

 

 本来なら「女性宮家」を創設し、例えば愛子さんは結婚後も、皇族として残る。さらに「女性天皇」を容認しておけば、将来、「愛子天皇」への道が開ける。「皇女」では、特別職公務員で民間人になってしまい、皇族ではないから、天皇にはなれない。

 

 また、「愛子天皇」の子女は、「女系」の子女となる。従って「女系天皇」も認めておかないと、子女は結婚すると、民間人となるので、そこで「天皇」への道は閉ざされてしまい、皇位の安定的継承につながらない。

 

 近刊の「女性天皇の成立」(高森明勅氏、幻冬舎新書)は、この辺の事情を詳述しています。旧皇族の復帰の問題でも、適格者になりうる若い人物は民間人で、皇族であったことはない。その人物を養子縁組で皇族に迎える特別扱いすると、「門地(家柄)による差別」(憲法違反)に当たると。

 

 皇位の安定的継続、憲法上の問題、男女平等という流れ、世論調査の動向などを考えると、「女性宮家、女性天皇、女系天皇」を3点セットで容認するのが最もすっきりしていると思います。有識者会議は国民に見識のあるところをみせてほしい。

 

 

 

 

 


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