友人からのメール
2014年5月29日
親しい友人から、「すこやかに長生き、そのコツ」、「高齢者が知っておくべき医療知識」という感じのメールが届きました。相当な読書家で公立図書館に通って、大量の本を借り出し、医療についても博学で、みずから「コツ」を実践しております。今回は、ブログの読者の参考にと、メールをほぼ全文転載させていただくことにしました。わたしと同じく70歳を超え、生きるための新境地に達したようです。ぜひお読みください。
ご無沙汰しています。
ここのところ過ごしやすい毎日ですが、お変わりありませんか。
集団的自衛権で明日にでも戦争になるみたいに国民を煽り、極端な反対論、暴論で読者を釣り、新聞を売る朝日新聞と東京新聞をなんとか潰せないかなと思案していますが、如何に。
私は相変わらず、年相応に関節痛、動悸、息切れ、物忘れなどと共生し、退屈しながら生きています。
長生きしたいとは思わないけれど、自然で安楽に往生するには、ある程度の年齢まで生き、ぱたっと、いかなければ仕方がないかなと思ったりしています。70歳そこそこで寝たきりになったりすると、往生するまでが長いですからね。
家内が2010年に肺癌を患って以来、医療に関心を持ちそれなりに勉強してみると、人体はなかなか面白いと思うようになりました。
結論から申し上げると、老人は病気を治そうなんて思わないで、心身ともにある程度の苦痛に耐えつつ、良い食事をとり、それに支えられ、自力で病気と共生するのが最善と思うようになりました。一病息災ですか。どこかが悪いほうが、心身に気をつけ、いたわりますから。
医療は分っていることより分らないことの方が多いし、人間が宇宙や地球のバランスの上に辛うじて存在している事実に気づくことが重要です。
子宮癌や胃癌はウィルスや菌が原因とみられている一方、ある難病の治療には、菌や寄生虫が使われはじめています。無暗と無菌、滅菌、減菌にこだわり、また、すぐ抗生物質の投与に走ることもいけません。
医療や薬は、科学的にメカニズムが証明されてなく、動物実験や試行錯誤的の末、良い結果が得られたから、人体に適用しているものが多いのです。
だから、動物に精神や心があるかどうか分からないので、動物実験が出来ず、精神病は新薬が開発できないとか、何かの本で読みました。
このところ、遺伝子もあわせた個体別のオーダーメイド医療(個々人の状態にかなった医療。DNA配列の解読などで、患者個人に最適な治療法を見出す)とか、エビデンスベースド・メディカル・チーム医療(治療効果、副作用、予後の臨床結果に基づいた医療を、患者とともに決めていく)などの必要性が叫ばれています。
それと共に、健常者を標準とする医療から体力や抵抗が衰えた弱者にあわせた医療へ、診療科別に細分化して、部分のことしか考えない「部分最適医療」からの転換が必要です。心身全体の最適化を図る「全体最適医療」が重要との考えが推奨されるようになっています。
ただ、癌をはじめ年寄の病気の多くは老化や人体の劣化が原因なので、それ自体の阻止や治療には限界があるでしょう。これらの完全征服は土台、無理な相談かもしれません。
考えてみれば、体も頭も弱体化、小児化していく老人のために、老人科があってもよさそうなものですね。小児科があって老人科が少ないのはなぜでしょう。
薬はもともと体には毒だけど、メリットがあるので仕方なく飲んでいるものなのに、弱い年寄がたくさん、飲んでも良いのかしら。
そんなことの参考に以下3冊をお勧めします。
1.「老年症候群」の診察室―超高齢社会を生きる 大蔵暢著 朝日新聞出版刊、朝日選書 ¥1300
いろいろ読むのが面倒な人は、この一冊で年寄の健康管理ができます。年寄必携の書。
2.薬は5種類までー中高年の賢い薬の飲み方 秋下雅弘著 PHP研究所刊、PHP新書 ¥800
日本老年医学会は5種類までとしているらしい。薬の常用者必読。
3.宇宙生物学で読み解く人体の不思議 吉田たかよし著 講談社刊、現代新書 ¥740
宇宙や地球の視野から、生命の成り立ちと医療の在り方を考える。好奇心の強い方はどうぞ。
最近、新しい健康診断検査データの基準値の改定(血圧、コレステロールなどの上限、下限の大幅緩和)が発表され話題になっています。人体、健康状態には個人差があるので、検査値に一喜一憂してはいけません。
医療と薬は本来、それぞれの個人の個体別に状態を考え、対応すべきです。それには医者以前に本人が自覚症状と検査データをベースに自己管理するしかありません。
釈迦に説法、余計なお節介だったかもしれませんが、往生する直前まで元気に飲み会でワアワアやりたいものです。
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