蓮舫問題で激痛が走ろう
2016年9月13日
新聞に掲載された世論調査結果には驚きました。党大会(民進党)の時期は話題が増え、その党の支持率が上がるのが普通なのに、逆でした。安倍政権に対する内閣支持率が62%(8月は54%)に、自民党支持率も46%(同39%)に急上昇しました。支持政党なし(無党派層)が31%(同38%)に減って自民党に回った計算になります。これは読売新聞の調査で、8月の日経調査でも、内閣支持率は62%という高水準でした。自民独走が独裁政治にならないか心配です。
代表選で蓮舫、前原、玉木氏の街頭演説の様子などをメディアは、ほどよく報道しているのに、民進党は8月と同じ8%と動いていません。3人に対する支持率は蓮舫47%、前原31%、玉木5%ですから、蓮舫氏はよほど人気があるのですね。そのことが今後、民進党の致命傷になりはしないでしょうか。
蓮舫氏の二重国籍疑惑、経歴詐称問題は大手紙ほど感度が鈍く、目立つ報道をしていませんから、その影響は大きくなさそうです。代表が予想通り蓮舫氏に決まると、国会では各党は国籍問題で蓮舫氏を追及しようと待ち構えていますから、どこまで支持率が落ちるのか。蓮舫氏を候補からはずすには時間切れですし、執行部にはそういう問題意識はなさそうです。
国籍の重みを軽々しく考えた
二重国籍者は国内に4,50万人はいるとの指摘が聞かれます。一般国民が二重国籍であるのと、野党第一党の党首、つまり首相を目指す政治家が二重国籍であるのとは、まったく問題の重みは違うでしょう。テロ、難民、移民で国籍問題は特に欧米では重大性を帯び、厳重にチェックするようになっています。さらに諸外国と外交交渉に臨む政治家は、「自分は明確に日本人であり、日本の国益に立って交渉する」が基本の基本でしょう。
蓮舫氏は中国籍(台湾籍)離脱の再手続きをしたそうです。「離脱の手続きは過去にしている。(騒がれるので)念のため、再手続きをした」というのです。これで二重国籍疑惑は解消したとしても、これまで二重国籍状態だったことはないのか、公表した国籍が二転三転しているのは経歴詐称(公務員法違反)ではないか、インタビューで「生まれたときから日本人だ」といってみたり、「中国国籍だ」といってみたり、発言を信頼できないではないか。これからまだまだ山がありますね。
民進党に期待を寄せる人は、自民1強政権は好ましいことではなく、早くまともな対抗政党になってほしいと願っているはずです。歯止めをかける政党がないと、間違った政策選択をしても、阻止できません。代表選というせっかくのチャンスがきたのに、国会質疑の餌食になりかねない人物を選んでしまうことに後悔することはないでしょうか。
独裁政治が広がる世界
内閣支持率が上がったのは、北朝鮮の相次ぐ核実験、尖閣諸島を始めアジア海域における中国の無法の振る舞い、国際情勢の悪化を背景にした独裁政治への支持などの影響があるでしょう。リオ五輪における日本人選手の活躍も追い風になったのでしょうか。この夏の相次ぐ自然災害も悲惨で、それと戦うには、強力な政府が必要と感じている人は多いでしょう。
内外の風が安倍政権に有利に働いているにしても、有権者は迷っていますね。「内閣の経済政策を評価する」が50%に達するのに、「景気が良くなると思わない」が55%は、矛盾していませんか。「首相に指導力がある」は18%と低いのに、「首相は自民党総裁としての任期が切れる。その任期延長に賛成」は48%です。指導力のない総裁とみるなら、任期延長の反対するのが普通でしょう。
最後に、リオ五輪閉会式で、安倍首相がスーパーマリオに扮した演出をしたことを、政権の側近、テレビは喜んでいましたね。私の周辺では、いかに次の開催国が日本とはいえ、一国の首相の振る舞いとして軽々しい所作で、恥ずかしくて見ていられなかったという人のほうが多いですね。派手好きな蓮舫氏がやれば、様にはなったでしょうが。
このお蔭で日本は水害に悩み、多くの技術が遅れを取っています。
とても政権政党にはなれない。