楽天※やユニクロ、日産など英語を社内の公用語としている企業がいくつかあります。また、大手商社の中には英語が自然に「公用語化」しているところがあるようです。
先日、ある中堅メーカの係長職研修を行った際に、「英語を社内の公用語にすることに賛成の人は?」と聞いてみました。
この会社は東南アジアに生産拠点をいくつか持っており、年を追うごとに輸出比率が増えています。
賛成!と手を挙げたのは全体の2割程度でした。では、「反対の方は?」と聞くとこれもまた2割ほどでした。半分以上の方が腕を組んで「うーん」という態度を示していました。賛成、反対、何人かの方に意見を述べてもらいました。
「海外営業や国際調達部門は必要だけど、主力工場は日本だから公用語にまでする必要はない。」
「いや、生産自体もどんどん東南アジアに移す計画だから、早いうちに英語に慣れておかないと。」
「でも、日本人だけの会議で英語なんておかしい。できるわけない。」
「いつまでもダラダラ会議をやって結論が出ないなら、日本人だけでも英語でやるべきでしょう。」
「総務や経理の仕事は英語では無理ですよね。」
「税務や商法決算以外はIFRS(国際会計基準)でやった方が良いと思う。」
「営業や製造で英語を使うなら、サービス部門である総務部こそ先頭に立って英語を使うべきだ。」
議論は徐々に熱を帯びてきました。
最後に、議論の締めとしてもう一度「英語を社内の公用語にすることに賛成の人は?」と聞いてみました。今度は、ほぼ半数の方が手を挙げました。
さて、私が感心したのは、この会社の中堅社員の人たちがとても実のあるきちんとした議論をしていた点です。
実は、社内の英語に関する議論でよく出てくるのは、次のような発言です。
「TOEICは650点を全社員に課すべきだ。」、「英会話の補助金をもっと増やしてほしい。」、「大事な書類で文法を間違えたら大変なことになる。」といった枝葉の話。
「英語を公用語にしたら我社の良き文化が破壊されてしまう」、「ちゃんとした言葉遣いもできない若い奴らに英語なんて不要だ」といった抽象論、感情論です。
こうした「ゆるい」発言が出てくるうちはまだ余裕があります。とは言え、そのまま放置しておくと「ゆでガエル」状態※になることは確実です。
もちろん英語の公用語化には問題点もたくさんあります。
しかし問題点をあげつらう前に、ここはひとつ現実的かつ具体的な「英語の公用語化」議論を行ってみてはいかがでしょうか。
え?このブログの英語化ですか!?
それまた別の話ということで・・・
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(人材育成社)