「いくら研修をやっても、会社は変わらないんだよなー」
これは、いまから10年ほど前、ある大企業の人事部で社員研修を担当していた友人から聞いた言葉です。
その時私は、「研修は無駄だってこと?」と聞いてみると、「いや、絶対にそんなことはない!研修を受けた社員は、皆顔つきが変わって帰ってくる」と彼はきっぱりと答えていました。
しかし、その後でぽつりと「でも、砂漠に水をまいているような感じがするんだ」とつぶやいていました。
研修を受けた人が職場に戻って、その成果を少しでも実践に移そうとすると様々な障害にぶつかります。忙しくて時間がない、実行するには予算が足りない・・・・。しかし、最大の障害は「上司」であることが多いようです。
上司が小さな水門のように職場の変革をせき止めている、というイメージでしょうか。
この「水門モデル」で会社を考えてみると、職場の変革が局所的なレベルに封じ込められ、やがて枯渇させられていく様子がよくわかります。
しかし、水門は開くことができます。すべての水門が開けば組織全体に変革が行き渡り、会社は変わります。
もしあなたが管理職ならば、自分が会社のなかの水門であることをイメージしてみてください。
(人材育成社)