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「レモンティにティンカーベルがいた!」 

2013年11月18日 | コンサルティング

                             

女の子 「ママ、 レモンティにティンカーベルがいたよ!」

ママ 「レモンティにティンカーベルがいた??・・意味がわからない!」

先日、100円ショップで買い物をしていた時に聞こえてきた、小学3年生くらいの女の子とそのお母さんの会話です。このやりとりを聞いた瞬間、私は大いに受けてしまいました。女の子のお母さんと同じく「レモンティ」と「ティンカーベル」の取り合わせがいかにも不思議でおかしかったですし、お母さんの「意味がわからない」というそっけない返答も妙におかしかったのです。

100円ショップのレジに並びつつ、肩を震わせて「クッ クッ クッ クッ」と声を抑えて笑いをこらえる私。周りの人にはさぞかし不気味に映ったかもしれません。

その後も暫らくの間、このやりとりを思い出すたびに笑いがこらえられなく、「クッ クッ クッ クッ」が続いたのでした。

家に帰ってから、あの女の子が言っていた「レモンティ」と「ティンカーベル」の正体は一体何なのだろうと気になりインターネットで調べたところ、その答えは実に簡単でした。何とキリンビバレッジの「午後の紅茶」のことだったのです。ご存知のとおり、「ティンカーベル」とは小説『ピーター・パンとウェンディ』などに登場する妖精で、その粉を浴び信じる心を持てば空を飛ぶ事が出来るともいわれていますが、この「ティンカーベル」がペットボトルにデザインされていたのでした。

写真がそれですが、これは今年6月に数量限定で行われた午後の紅茶とディズニーのコラボデザインの第2弾とのこと。今回は対象商品を増やし、例えばホット飲料『あたたかい生茶』では、描かれたディズニーキャラクターの洋服の色が温度によって変化するといった遊び心も添えられているのだそうです。

さて、冒頭の女の子とお母さんの会話はちょっとチクハグになっていましたが、これは同じコンテクスト(context)を持ち合わせていなかったことが原因です。コンテクストについては、これまでこのブログでも何度か触れていますが、直訳すれば「文脈」ということ。コミュニケーションで考えると「文化・風土・価値観」といわれています。

コンテクストを意識せずにコミュニケーションをとると、自分では言ったつもりでも相手には受け入れられていないことがあるのです。

同じコンテクストを共有していれば、言葉を少々省略しても通じることもありますが、そうでない場合は発言の背景や前提をきちんと伝えないと、思いがけず誤解を与えてしまうことがあります。冒頭の女の子とそのお母さんも、まさにコンテクストが違ってしまっていたということですね。

さて、そんな私も「クッ クッ クッ クッ」と人の会話を笑っている場合ではありません。コンテクストがいかに大切であるかを研修で力説しつつ、自分自身もしかして「レモンティにティンカーベルがいたよ!」的な発言をしている時があるかもしれないと思ったのです。今回はコンテクストの大切さを改めて意識させられた親子の会話でした。

(人材育成社)