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ディスカッションの進め方を習ったことがありますか?

2013年11月12日 | コンサルティング

「ディスカッションのルールを教えてもらってよかった」

 「ルールの中で一番参考になったのは、他者の意見と異なる意見を言う時には、先ず意見を受け止める、批判をする時には必ず代案を言う」

がとても役にたったとのことでした。

皆さんはディスカッションの進め方を習ったことはありますか?

この秋は「問題発見・課題解決」をテーマとした研修を週に2~3回のペースで行っています。この研修を行う時は終始グループディスカッションで進行するのですが、先日研修の開始時にディスカッションのルールを紹介してから研修を始めたところ、研修終了後に数人の受講者が感想を言いに来てくれました。

研修においては、ディスカッションがどれくらい活発に行えるかが成果に大きな影響があると感じています。企業内で行われる研修であっても、面識がない人同士が同じグループでディスカッションをすることはどうしても遠慮があり、なかなか難しいことです。もちろん、研修の開始時には自己紹介をはじめアイスブレイクの時間をとっていますが、それでもディスカッションの盛り上がりは、グループによって差が出てきます。

では、その差はどこからくるのか。

それぞれのグループのディスカッションを観察していて感じるのは、そこで行われているのは実は本来の意味でのディスカッションではないということです。ディスカッションと称して順番に発言をしているだけです。他者の発言に対して突っ込みを入れたり、質問をしたりすることはほとんどない。時々感想を言う人がいるくらいのやりとりしか行われないていないのです。

そこで思ったのが、そもそもディスカッションの進め方を知らないのではないかということです。自分の意見を発信することにためらいがある、そのために順番に発言をすることになる。他者の意見を肯定することはできても、突っ込みを入れたり批判をすることにはネガティブなイメージがあって、どうしても遠慮をしてしまうのです。

短時間のディスカッションならばともかく、2時間を超える大型の演習では決められた時間の中で結果を模造紙にまとめるなどの成果が求めることがありますが、グループの中で発言を遠慮しあっているとちっとも議論が進まず、あっという間に納期(終了時間)が来て、完成に至らないという事態も起きうるのです。

最近そういう事態を見ていて、私たちは学校時代にディスカッションの進め方を習うことがなかったのではないか?と思うようになりました。

発言を行き交わすことがないディスカッションであれば、同じ場所に集う必要はないのです。

でも、ディスカッションの重要性はみんなわかっているのですから、これからでも遅くはない、まずはディスカッションのルールを共有することから始めようと思います。

(人材育成社)