産業能率大学が先月発表した「第2回上場企業の課長に関する実態調査」によると、課長の88.8%が悩みを抱えていると回答しています。
そしてこの調査の最大の見どころ(?)は、課長の13.5%が「プレイヤーに戻りたい」と答えていることです。プレイヤーに戻ることは、(異論はあるかもしれませんが)出世の階段を下りることを意味しています。課長職は会社員人生という階段の途中に作られた巨大な壁なのかもしれません。
さて、「ショムニ」は会社を舞台にしたコメディですが、江角マキコ率いる落ちこぼれOLチームは出世の階段とは無縁の世界にいます。「ショムニ」は壁にぶつかりません。もともと階段の最下層に留まっているからです。
では、プレイヤーに戻った=階段を降りてしまった(元)課長さんたちが「ショムニ」のように本音を正々堂々と口にして楽しく会社員生活を送れるでしょうか。それはおそらく無理でしょう。今回の調査で「プレイヤーに戻りたい」と答えた13.5%の人は「戻りたいけど、一度そうなったら二度と這い上がれない」ことに恐怖を感じているのだと思います。
現代の課長さんたちにとって会社員人生とは下りることができる「階段」ではなく、落ちたら終わりの「綱渡り」なのかもしれません。
(人材育成社)