
「髪型が変っていたので一瞬わからなかったのですが、○○さんと話をしている声を聞いて、やっぱり間違いないって思いました。」
一昨日の研修の時に、受講者の一人からこのように声を掛けられました。この方は、以前別の部署で研修の担当をされていて、その時にお世話になっていたのですが、3年ぶりの再会でした。
3年の時を経て、髪型だけでなく、体型も少々?変っていることを自分でも認識していましたが、逆に人の声は年齢を重ねても外見ほどには大きくは変わらないものなのだなと改めて思いました。
そういうことを考えていたところ、昨日、かつて歌手や女優として活躍されていた相良直美さんが、久しぶりにテレビに出ているのを見ました。現在は実業家として活躍されているそうですが、何十年かぶりに見る相良さんは、外見は年齢相応に多少変わられていたものの、声は全然変わっておらず、「あー、相良直美さんの声だ」と思ったと同時に、懐かしいドラマの記憶も蘇ってきました。
「声」と言えば、アニメのキャラクターの声やドキュメンタリー番組のナレーションなどは、それぞれがセットになっていて、もはやどちらかが欠けても成立しないように感じてしまうくらい、声の影響力は大きいのだと感じています。
たとえば、私の場合は「ドラえもん」の声のように何十年も担当していた人から別の人に代わった場合、どうしても新しい声に違和感を覚えてしまい、慣れるまでには結構な時間がかかってしまうことがあります。
人の声には、ハスキーボイスだったり優しそうな声だったり、それぞれ個性がありますし、さらには高音・低音、早い・遅い、大きい・小さいなどの違いがあります。それがそれぞれの人と結びついて、確固としたキャラクターになっているのでしょう。
話は変わりますが、最近研修で気になっていることの一つに、20代を中心に若い世代の人の声が小さくなっているように感じています。飲み会やカラオケであれば大きな声が出るのかもしれませんが、研修の中で1人ずつ発表をするような場面では、マイクなしでは声がよく聞こえない人が多いのです。もちろん、研修では緊張してしまうということがあるのだと思いますが、なんとなく声が小さく、ぼそぼそと人話す人が多いように思えます。
しかし、上記のように声がもたらす影響力は決して小さくないと思いますので、これは若い人に限ったことではないのだろうと思いますが、普段から意識的に声を出す練習をすることが必要なのかもしれません。
さらに、人と会話する際、声の調子によって自分の気持ちや感情を相手に伝えることもあるわけですから、声の調子も疎かにすることはできないと思います。
同じ言葉であっても、どのような気持ちで伝えるかによって全然別の意味をもたらしてしまうわけで、たとえば、「すみません」という謝罪の言葉も、心から申し訳ないという気持ちを持って言う場合と、実は納得していないけれど、とりあえず形だけ謝っておくという場合では、伝わり方が全く異なるでしょう、そうした気持ちや感情は相手にもはっきり伝わってしまうと思います。
現代は視覚情報優位の時代だというように言われることもありますが、だからこそ自分の声を大事にしていきたいと思うのです。
(人材育成社)