毎日いろんなことで頭を悩ましながらも、明日のために頑張ろうと自分を励ましています。
疲れるけど、頑張ろう!
かかし
一昨日父が家の入り口に植わっている松の手入れをしていた。これは「門かぶりの松」にしようと、父が35年近く前に山から抜いてそこに植えたものだ。門などという立派なものはない家なので、厳密には「門かぶりの松」などとは呼べないけれど、長い間かかってやっとそれらしい枝ぶりになってきた。父は年に一度か二度くらいしか手入れをしないので、ほぼ自生しているようなものだが、手入れの終わったあとでじっと見ているとなかなか趣深い形をしている。
昨日私が出先から帰ってきたら、父が松のところで私に何か話したそうな顔をして待っていた。
「何かいいことでもあったの?」と私が聞くと、ニヤニヤしながら、
「今朝、この松の枝振りが気に入って眺めていたら、小さい鳥が飛んできて俺の帽子の上にちょこんと止まった。えっ?と思って、手で払いのけたら、羽が2,3枚飛んだけど、逃げていった。鳥のくせに俺をかかしと間違えやがった」と嬉しそうに話す。それを聞いた妻が、
「だいぶ枯れてきたってことかな」と笑いながら話すと、
「そうかもな。だけど、もうちょっと早く動いたら、捕まえることができたのに・・」と、相変わらず野生児のようなことを言う。もし捕まえていたら、新たな武勇伝となっていただろう、残念だ、などと私も思わず苦笑いをしてしまったが、いくらなんでも生きた人間をかかしと間違えるとは、ふざけた鳥もいるものだ。家で飼われた鳥が人の体の上で遊ぶというのはよく見聞きするが、野生の鳥が人の頭に止まるとは初耳だ。確かに父は、ひざを捻挫して以来歩き方が年寄りくさくなったとは思うが、畑に毎日出かけて行くし、なかなか元気な爺さんに見えるのだが、どうしてそんな父の頭に小鳥が乗っかったものだろう、不思議だ。
この前の日曜日、弟夫婦が家にやって来て、私は双子の子供たちと楽しいときを過ごした。元気溌剌な甥っ子はボール遊びが好きで、ビニールボールでサッカーをしてやったら、2歳にしては驚くほど反応がいい。ボールを転がしてやるとタイミングを計ってけり返してくる。こいつは面白いと思って、バットで打ち返すこともできるかなと、甥っ子と一緒に100円ショップに行ってバットを買ってきた。袋に同封されていた小さなボールを転がしてやると、長いバットを巧みに操って正確に打ち返してくる。
「おお、すごい!!」と何度も叫び声を上げているうちに、私の父が部屋にやって来て、甥っ子に向かってボールを転がし始めた。甥っ子の妙技に父も感心して、本当に嬉しそうに顔をくしゃくしゃにしながら何度も繰り返していた。真剣にボールを見つめる2歳の甥っ子と、嬉々としてボールを転がし続ける73歳の父、どちらが幼児か分からない気がしてきて、何だか不思議な感じがした。
弟夫婦が、帰り際に「もう一人子供が生まれることになった」と告げた。「おお、本当か、それはよかった」と驚きながらも私が祝福すると、少し照れながら弟は父の部屋に報告をしに行った。父も喜んでいたが、これで8人目の孫が誕生することになる。私が2人、妹と弟が3人の子供を持つことになるから、一人少ないのはちょっと悔しい気もするけれど、そんなことは今さら言っても仕方がない。ただただ、元気な子供が生まれてくるのを祈るばかりだ。
父も、鳥にかかしと間違われるような枯れた人間になってしまうのはまだまだ早い。生まれてくる新しい孫のためにも、いつまでも元気で生き生きした毎日を過ごしていってもらわねばならない。
昨日私が出先から帰ってきたら、父が松のところで私に何か話したそうな顔をして待っていた。
「何かいいことでもあったの?」と私が聞くと、ニヤニヤしながら、
「今朝、この松の枝振りが気に入って眺めていたら、小さい鳥が飛んできて俺の帽子の上にちょこんと止まった。えっ?と思って、手で払いのけたら、羽が2,3枚飛んだけど、逃げていった。鳥のくせに俺をかかしと間違えやがった」と嬉しそうに話す。それを聞いた妻が、
「だいぶ枯れてきたってことかな」と笑いながら話すと、
「そうかもな。だけど、もうちょっと早く動いたら、捕まえることができたのに・・」と、相変わらず野生児のようなことを言う。もし捕まえていたら、新たな武勇伝となっていただろう、残念だ、などと私も思わず苦笑いをしてしまったが、いくらなんでも生きた人間をかかしと間違えるとは、ふざけた鳥もいるものだ。家で飼われた鳥が人の体の上で遊ぶというのはよく見聞きするが、野生の鳥が人の頭に止まるとは初耳だ。確かに父は、ひざを捻挫して以来歩き方が年寄りくさくなったとは思うが、畑に毎日出かけて行くし、なかなか元気な爺さんに見えるのだが、どうしてそんな父の頭に小鳥が乗っかったものだろう、不思議だ。
この前の日曜日、弟夫婦が家にやって来て、私は双子の子供たちと楽しいときを過ごした。元気溌剌な甥っ子はボール遊びが好きで、ビニールボールでサッカーをしてやったら、2歳にしては驚くほど反応がいい。ボールを転がしてやるとタイミングを計ってけり返してくる。こいつは面白いと思って、バットで打ち返すこともできるかなと、甥っ子と一緒に100円ショップに行ってバットを買ってきた。袋に同封されていた小さなボールを転がしてやると、長いバットを巧みに操って正確に打ち返してくる。
「おお、すごい!!」と何度も叫び声を上げているうちに、私の父が部屋にやって来て、甥っ子に向かってボールを転がし始めた。甥っ子の妙技に父も感心して、本当に嬉しそうに顔をくしゃくしゃにしながら何度も繰り返していた。真剣にボールを見つめる2歳の甥っ子と、嬉々としてボールを転がし続ける73歳の父、どちらが幼児か分からない気がしてきて、何だか不思議な感じがした。
弟夫婦が、帰り際に「もう一人子供が生まれることになった」と告げた。「おお、本当か、それはよかった」と驚きながらも私が祝福すると、少し照れながら弟は父の部屋に報告をしに行った。父も喜んでいたが、これで8人目の孫が誕生することになる。私が2人、妹と弟が3人の子供を持つことになるから、一人少ないのはちょっと悔しい気もするけれど、そんなことは今さら言っても仕方がない。ただただ、元気な子供が生まれてくるのを祈るばかりだ。
父も、鳥にかかしと間違われるような枯れた人間になってしまうのはまだまだ早い。生まれてくる新しい孫のためにも、いつまでも元気で生き生きした毎日を過ごしていってもらわねばならない。
コメント ( 15 ) | Trackback ( 0 )