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09 ヒット商品

 このブログに05年から毎年載せているSMBCの「ヒット商品番付」09年度版が発表された。先月末に公表されていたようだが、取り上げるのをまるで忘れていた。ふっと気がついて、あわててHPをのぞいたら、「2年振りの横綱復活! ~『節約消費』が拡大し、官製特需に沸く~ 」と景気のいい言葉が並んでいた。この年末、経済的には「デフレだ、円高だ、ボーナスカットだ」などと暗い話ばかりが目立つが、SMBCでは今年の消費傾向を次のように概観している。
「景気の低迷が深刻化するなかで年明けを迎えた2009年、消費者の生活防衛意識は一段と深まった。消費者が支出の対象を厳選し、価値を認めた商品のみを購入する「節約消費」の傾向を強めた結果、個人消費は全体として盛り上がりに欠けたものの、「お買い得」「環境」「安全・安心」「交流(つながり)」など消費者のニーズにマッチした商品の売れ行きは好調であった。特に自動車や家電では、政府の消費刺激策により「お買い得」感が高まったことから高価格帯の商品販売が急増するなど、官製特需に沸いた年となった」

まずは番付から。
(殊)…殊勲賞 (敢)…敢闘賞 (技)…技能賞 「」…商品名 『』…書籍名・作品名
    東        西   
 ハイブリッド・カー 横綱  キリン・フリー
 官製特需
 (エコポイント家電・1000円高速)
張出横綱 該当なし
 新型インフルエンザ対策グッズ 大関 該当なし
 「Fit's」  関脇 「ドラゴンクエストⅨ」  
 『1Q84』  小結 「国宝 阿修羅展」
 原監督&
 WBC・日本シリーズ優勝
 前頭1 東大生ノート
 「ブローネ泡カラー」
 同2  ガンダム30周年
 GREE 同3  「iPhone 3GS」
 韓国旅行
 同4 弁当&水筒男子
 ジーンズ激安競争 同5 ブランド付録つき雑誌
 マイケル・ジャクソン
 『THIS IS IT』
 同6 ゆるキャラ

<今後の注目株>
電動スクーター(環境対応二輪車)、上海万博、LED電球 

 次に、この番付に書かれた商品について、私の雑感を以下に記してみる。
 ハイブリッド・カーで一番驚くのはその静粛性だ。従姉妹がLEXUSのハイブリッド・カーを買ったものだから、見せてもらったが、エンジンの静かさには本当に驚いた。逆に言えば、歩行者が車の近づいてきたことに気付かないという危険性もある。「キリンフリー」な一口だけ舐めたことがある。確かにノンアルコールのビール味の飲み物だったが、私としては、酔っ払うためにビールを飲むのであって、酔わないビールなど不要だと思った。しかし、そんなビール風の飲み物が大ヒットしたというのだから分からないものだ。
 「官製特需」とは面白い表現だが、「エコカー減税・補助金」「エコポイント制度」「1000円高速」など、前自民党政権が打ち出した政策は我が家の家計には大いに助けとなった。今年は新型インフルエンザの予防対策に頭を悩ませた。マスクの買い置き、手指の消毒液など、塾としてはできる限りの対策を講じた。それでも塾生の3分の1以上が新型インフルに感染してしまったから、どれだけ効果があったのかは疑問だ。「Fit's」がロッテのガムだとは知らなかった。「噛んでも疲れないやわらかい食感を実現」したそうだが、歯を治して以来、一度もガムをかまなくなった私には縁のない商品だ・・。ロールプレイングゲーム最新作の「ドラゴンクエストIX」は前作をしのぐ販売数400万本を出荷したらしいが、もうあんな時間のかかるゲームはやりたくないというのが私の実感だ・・。
 村上春樹の小説『1Q84』は、「BOOK1・2」をあっという間に読んでしまった。確かに面白いが、娘が話した「何も残らなかった」という読後感に私も同意した。でも、来年発表されるだろう続編はきっと読むだろうな・・。奈良の興福寺創建1300年記念イベントとして東京国立博物館で開かれた「国宝 阿修羅展」は、同博物館の日本美術展として史上最多記録を塗り替えたらしいが、残念ながら暇のない私では、東京までは出かけられない。
 2009年はある意味、原辰徳の年だったのかもしれない。WBC・日本シリーズと制した彼は名監督への道を順調に歩んでいるようだ。同級生の私としては誇らしくもあり、羨ましくもある。「東大生ノート」はチラッと見たことがあるが、「まとめ方の上手い学生≒勉強のできる生徒」であることは私も認める。しかし、ノートなどとらなくても頭の中にすべて入ってしまう者もいるから、決して「=」ではないだろう。
 「ブローネ泡カラー」は白髪染めの新商品のようだが、私は一度も髪を染めたことがないのでまったく関係ない。ガンダム30周年は、ガンダムの生まれ故郷とでも言うべき「メ~テレ」がファーストガンダムを全話放送した。私はそれをすべて録画して見たから、何となく30年の重みは感じられる。無料携帯電話ゲームを提供するサイト「GREE」は利用したことがなし、ソフトバンクモバイルの携帯電話「iPhone 3GS」も、DOCOMOの携帯を使っている私には縁がない。
 韓国への旅行者が急増したと言われても、射撃場の悲劇を思うと言葉に詰まってしまう・・。生活費を切り詰めるために増えたであろう弁当&水筒男子と、ジーンズ激安競争は、今年の経済状況を如実に反映しているように思う。安売りをすると収益が減る、するとそこで働く人の賃金も下がるので、お金がない人々がますます安い商品を求めて・・、というデフレスパイラルをどこで断ち切ることができるかが、日本の喫緊の問題であろう。ファッション雑誌にブランド付録つきが定番となったのも、付加価値を求めると言えば聞こえはいいが、要するに払うお金に今まで以上の対価を求める消費行動を反映したものなのだろう。
 急逝したマイケル・ジャクソンのコンサートリハーサルと舞台裏を収めたドキュメンタリー映画『THIS IS IT』は累計興行収入40億円に迫り、マイケル死後のCDアルバム&DVD売上が200万枚を突破したことは、彼の死を惜しむ人々が多かったからであろう。2010年に奈良で行われる「平城遷都1300年祭」マスコットキャラクター「せんとくん」は可愛いいとは思えないし、「ゆるキャラ」という定義自体もよく分からないが、いくつものキャラクターが輩出してきたのには私の理解できない理由があるのだろう。

 最後に来年の展望をSMBCは次のようにまとめている。
「ヒット商品を生むターゲット層で注目したいのは、購買力を持ちながらも買い控えしていると見られる団塊世代とともに、近年「ママギャル」が出現し年齢層が拡大しているギャルに代表される10代後半から20代の「元気」のある女性である。これらの層が来年の消費をリードしてゆくことを期待したい」


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