goo

園芸家っていいかも

 お稲荷さんに参拝してきた。風もなく穏やかな一日だったが、参道は師走の風情がそこはかとなく漂って、何となく気忙しかった。そんな中、本殿の裏側に「皇帝ダリア」が咲いているのを見つけた。
 

 今秋、この花がいやに目につき、いったい何と言う花だろうとずっと思っていたところ、「冬の花 背が高い 薄紫の花」で検索してみたら、「皇帝ダリア」という名だと分かった。なんて立派な名前だろうと感心してしまったが、メキシコ原産の花だそうで、やはり日本古来の花とは趣を異にしている。この冬枯れの時期だけに、一段とその豪奢なたたずまいが目につき、どうしたって見入ってしまう。妻にも少し前から、この花のことを話していたのだが、「私は好きじゃないなあ・・。花が下を向いているのがいや」と、密かに来年は育ててみたいという私の意向を感じ取ったのか、予防線を張ってきた。少しばかり調べてみたら、挿し木で増やすのだそうだから、私には土台無理な話だが、やはり大輪の花に惹かれないと言えば嘘になる。「それでも薄紫がきれいだろう」と私が粘ると、「植えたいなら私が死んでからにして」と実も蓋もないことを言う・・。仕方なく諦めたが、その代わりと言っては何だが、参道の店で売っていた水仙を買ってみた。


 雪割草、福寿草と並べて植えてみたが、なんだか最近園芸に目覚めたようで、少しばかり庭造りが楽しくなってきた。

 お稲荷さんからの帰り道に少し遠まわりをして、稲沢の植木センターに立ち寄った。妻と伯母が朝TVで、入口に「ジャンボ松竹梅」が飾られているというのを見ていて、時間があったら見に行きたいと言うので、そのとおりにしてみた。


 到着するのにさほど時間はかからなかったが、実際にこの目で見てがっかりしてしまった。「なんだ、ただの大きな盆栽か・・」ちょっと期待していただけに落胆してしまった。TVで見ていたはずの妻と伯母も同じようにがっかりしていたから、わざわざ立ち寄るまでもなかったな、と後悔してしまった。
 が、このまま立ち去るのも何だかもったいない気がしたので園内をしばらく歩いてみることにした。いろんな木々の苗が並べられている中、「皇帝ダリア」も見つけた。2200円・・、少しばかり食指が動いたが、妻が「ダメ!」と念を押してきた。どうしてこんなに強硬なんだろうと訝しく思ったが、まあ、今回は引き下がっておこう。と、その時、なんと四季桜の苗を見つけた。花がいくつか付いている。確かにあの四季桜だ。
「いいね」
突然妻が乗り気になった。先月末に見た四季桜の景色は今思い出しても素晴らしかった。見入っていると時空を飛び越えたような不思議な感覚を味わったほどだ。その四季桜を目の前にしては、妻だけでなく私も買いたくなるのも当然だ。枝が1本だけの細い苗もあったが、「どうせなら、お金をケチらずにこの太い方を買って行きなさい」と、同じく園内を回っていた人に忠告を受けた妻が、「じゃあ」と言ってその言葉に従ってお金を払った。枝ぶりも立派で車に乗せるのに一苦労したが、なんとか家までたどり着いて、無事車庫の後ろに植えることができた。


 父に刈られてしまったみかんの木の横に植えた。たまたま通りかかった父に「切らないでよ」と念を押したから大丈夫だとは思うが、ちょっと心配だ・・。

 果たしてこの桜が立派な花を咲かせられるようになるまで、私が生きていられるかどうか心もとないが、また一つ楽しみが増えたと思うと、本格的に園芸に熱中するのもいいかな、という気がしないでもない。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )