![]() | 崩食と放食―NHK日本人の食生活調査から (生活人新書)日本放送出版協会このアイテムの詳細を見る |
★ 子どもの学力と生活習慣、特に朝食を食べるかどうかと学力との相関が指摘されている。学力にとどまらず、「キレ」る子どもに欠食児が多いなどといった指摘もされている。
★ 「ゆとり」から脱却し、学力向上のために授業時間を増やすそうだが、本当に学力を上げたいのなら、始業時間を繰り上げて朝食も学校給食にすれば効果が上がるかもしれない。すでに朝食の給食を始めている学校もあると聞く。
★ 欠食の問題は、その背景に生活の乱れや家族崩壊の危機も想定される。そう考えると個人の問題にとどまらず、社会の健康度を見る1つの尺度といえるかもしれない。
★ さて、この本「崩食と放食」はNHK放送文化研究所世論調査部が2006年に実施した「食生活に関する世論調査」を中心にまとめられたものである。
★ この手の本は真剣に検討するとなると細かい数字を読み解かなければならないので結構骨が折れる。今回は論文を書くわけではないのでざっと読み進めることとした。
★ 現在の「食」は「豊食」「崩食」「飽食」「放食」「趣食」「守食」「共食」「孤食」とさまざまに解釈されている。食をめぐる問題は根深そうだ。
★ 食育基本法なるものが成立していることには驚いた。知らなかった。最近は「基本法」が大流行だ。国が法律まで用意して「食」の健全化を進めようとしているということはどういうことか。メタボ健診といい、最近は国のおせっかいが多い。
★ 医療費の抑制といった至上命令のなせる業か。
★ 成人はともかくとして子どもたちの問題は深刻に考えなければいけない。親の所得格差は食生活まで及んでいる。これが学力差と相関しているとなると見過ごすわけにもいくまい。
★ 給食費未払いなど問題は一筋縄ではいかないが、「食育」は「公共心」などと並んで今後の大きなテーマになりそうだ。