じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

大返済時代

2008-04-21 23:19:04 | Weblog
★ NHKスペシャルで「大返済時代」を見た。今さらながらショッキングな内容だった。何でこんなになってしまったのか、もっと早く手の打ち様がなかったのかと言うのが、率直な感想だ。

★ 政治家はハコモノばかりをつくり、役人は所詮は他人事だ。そして最後のツケは国民、住民。国や自治体を頼っていた国民・住民がお人よしと言ってしまえばそれまでだが、遅まきながら、これからはこの姿勢を改めねばならないだろう。

★ 世帯分離というのは苦肉の策だと思う。ただ必ずしも負担が減るわけではないので注意が必要だ。島根県だったか役人が「困ったことだ」的な発言をしていたが、タテマエ論ばかり言われてもどうしようもない。生きるためにあらゆる手段を講じるのは当然だ。議員や役人の報酬をまずカットし、人員を減らしてから、国民・住民の負担を提案して欲しいものだ。

★ 200兆円に上る自治体の借金。これを解消するにはインフレしかなさそうだが、インフレが起これば、弱者の生活はますます苦境に陥る。

★ 福田総理は選挙応援に言って後期高齢者医療問題に関し、「高齢者にもちょっとの負担を」と演説していたが、墓穴を掘ったのではないか。所得や資産に応じて「ちょっと」の意味は異なる。所得・資産に応じた負担ならまだわかる。頭割り、一律負担をすればどうなるか想像がつきそうなものだが。

★ 永田町や霞ヶ関に居てはわからないのだろうか。

★ 道路づくりに血眼になっている国会議員を見かけるが、道路より優先してやるべきコトがあるんじゃないかと言いたいものだ。人のよい国民も遂には堪忍袋の緒が切れる。

コメント

「予備校が教育を救う」

2008-04-21 01:54:46 | 
予備校が教育を救う (文春新書)
丹羽 健夫
文藝春秋

このアイテムの詳細を見る
 

★ 予備校御三家の一角、河合塾で30年以上に渡り予備校経営にかかわってきた筆者の回顧と教育論である。

★ 昭和40年代から平成まで、予備校は激動の日々を過ごす。学園紛争、ベビーブーム、そして少子化。そうした社会的変化の中で、なぜ河合塾が発展できたのか、その秘訣は本書を一読すれば感じ取れる。

★ この種の著書は、書かれてあることよりも書かれなかったことを想像しながら読むのが楽しい。30年と一口に言うが、予備校戦国時代を生き抜いた兵の日々は想像して余りある。

★ 私が面白かったのは、「高校と予備校の役割の逆転」(125p)の項目である。高校間の競争、序列化が進む中、この傾向はますます強まっているように思う。公教育である高校がテスト対策のノウハウを教え、予備校が学問の面白さを語り、学習意欲を高める。本末転倒とも言える姿が現にある。

★ 学力問題が騒がれているが、ロボットじゃあるまいし、正答率の向上ばかりをめざす教育はいかがなものか。かつてのように学園紛争でも起こって、「自己否定」「再生」のプロセスが必要なのではとも思う。

★ 技術革新がどんなに進んでも、人間同士のコミュニケーションや暖かさは求められそうだ。たとえ少子化になろうとも、塾や予備校はここに活路を見出せるかもしれない。

★ 筆者が指摘している公立学校の教員の年齢構成には改めて考えさせられる。この年齢構成について筆者は教育行政や教育大学を批判している。それは的を射た指摘だが、教育学の研究者の中にはこうした問題点を早くから指摘している人もいた。ただ、研究が必ずしも政策にならないところが、教育行政の大きな課題であるとも言える。

★ 中教審は遅まきながら教職員の増員策を出してきたが、財政的な裏づけがどれほど得られるかが課題だ。

★ 民間企業では考えられないような慣行が公的セクターには多いから、教育の再生には悲観的にならざるを得ない。公費民営といったテクニックを使ったほうが手っ取り早いのではないかと思うくらいだ。

★ 話は著書に戻るが、予備校から公教育を見るといった視点が新鮮だった。
コメント