じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

松本清張「共犯者」

2018-05-07 19:36:09 | Weblog
☆ 松本清張の「共犯者」(宮部みゆき責任編集「松本清張傑作短篇コレクション 中」文春文庫)を読んだ。

☆ 小心者は犯罪などに手を染めない方がよい。家具販売で成功をおさめた内堀彦介には秘密があった。かつて犯罪に手を染めたのだ。彼には共犯者がいた。戦利品を山分けしこれからは赤の他人を約束したものの、事業の成功と共に共犯者の存在が気になってきた。いつか彼が目の前に現れて今日の成功をぶち壊すのではないかと。

☆ その猜疑心が、結局は破滅につながる。

☆ 「共犯者」にはニ重の意味があるように思うのだが。
コメント

佐々木譲「廃墟に乞う」

2018-05-07 14:52:16 | Weblog
☆ 佐々木譲さんの短編集「廃墟に乞う」(文春文庫)から表題作を読んだ。面白かった。

☆ 主人公は元刑事一課の刑事。わけあって現在休職中。温泉地で保養をしていたが、そろそろ飽き始めた頃携帯電話が鳴った。ラブホテルでデリヘル嬢が殺されたというのだ、その手口は彼が13年前に担当した犯行に酷似していた。

☆ かつて賑わった炭鉱の町。今は廃墟と化している。化石のようなこの街で、犯人は育ち、そして帰ってきた。

☆ 情景がありありと浮かぶのは筆のうまさだろう。
コメント