じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

阿刀田高「来訪者」

2018-05-26 14:44:26 | Weblog
☆ 阿刀田高さんの短編集「ナポレオン狂」(講談社文庫)から「来訪者」を読んだ。

☆ 育児中の浮田真樹子。そこに中年の女性が訪ねてきた。出産時、雑用を頼んだ女性だ。退院後も数か月に1回程度やってくるという。「ちょっと近くまで来たので」というが、来訪の意図がわからない。家政婦として雇ってもらおうというのか、それとも誘拐・・・。

☆ 女性が帰ったあと警察官がやってきた。そして事態は思わぬ方向に。

☆ 話がどう終わるのか最後の方までハラハラ。そして「なるほど」と思った。くわばらくわばら。
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中村文則「土の中の子供」

2018-05-26 11:48:21 | Weblog
☆ 中村文則さんの「土の中の子供」(新潮文庫)を読んだ。重い作品だった。重い作品だったが、一気に読み終えた。それだけ迫力のある作品だった。

☆ 少年は実の両親から放置され、遠い親戚に預けられたが虐待され、最後は土に埋められた。それで、この世から消えるはずだった。土と同化するはずだった。しかし、心の奥から湧き上がる何かに動かされて、土の中から脱出した。

☆ 少年を動かしたものは何だったのだろうか。幼い彼にはわからなかった。理屈ではない。言葉では表せない。土から脱出した彼を狙った野犬に向かって、彼は叫んだ。棒を振り回した。それは生への衝動としか言いようがない。

☆ 運命は卑怯だ。それは弱者を狙う。彼は弱者ではなかったのだ。


☆ 理不尽な暴力に耐える日々。彼は運命というものを感じた。それがモノを高いところから落とすという彼の性癖を形づくったのかも知れない。モノを落とす快感。手から離れたモノは運命に委ねられる。その運命を傍観する快感。神か悪魔か、人を、万物を支配する何者かの一端に彼は接したのかも知れない。
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「エル・チョクロ」から「ほんきかしら」

2018-05-26 02:21:44 | Weblog
☆ NHKラジオからタンゴの名曲「エル・チョクロ」が流れている。この曲を聴いていると島倉千代子さんの「ほんきかしら」が浮かんできた。コード進行やリズムが似ているのかな。

☆ そう言えば、クィーンの「ボヘミアンラブソディー」と映画「人間の証明」のテーマ曲も似てる気がする。モーニング娘。の曲は、「ヴィーナス」「ジンギスカン」などいろいろと思い浮かぶなぁ
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米朝関係の「ブラックレイン」

2018-05-26 01:41:44 | Weblog
☆ 映画「ブラックレイン」(1989年)。松田優作さん扮する新興ヤクザのボスが仲間と偽ドル紙幣の版木を奪う。奪われたのは若山富三郎さん扮する大組織の親分。松田さんはその版木を返す代わりに、他の親分と同等の親分として認めてもらうことを要求する。

☆ 松田さんの組織にとって版木は命綱。果たして彼はそれを渡し、目的を達することができるのか。映画ではこの二人に日米の刑事(高倉健、マイケル・ダグラス)が絡んで激しいアクションが繰り広げられる。

☆ さて、蜜月ムードだった米朝関係、急速に緊張が高まっている。最初はそれぞれにより有利な条件を得るための交渉テクニックかと思っていたが、雲行きが怪しい。アメリカが求めるのは北の核の完全放棄。その見返りは現体制を容認するというもの。ただ北にとってみればそう簡単に切り札を捨てるわけにはいくまい。だまし討ちなど世の常道。約束や信義などどれほどあてになろうか。

☆ 米朝の仲を取り持った韓国の指導者は困惑気味だ。結局は、大親分同士、米中の交渉に委ねられるのか。中国がこれからどう動くか。注目されるところだ。
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