じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

重松清「ゲンコツ」

2018-05-23 19:03:11 | Weblog
☆ 重松清さんの短編集「ビラミンF」(新潮文庫)から「ゲンコツ」を読んだ。

☆ 主人公はニュータウンに住む38歳の男性。会社で中間管理職になりたて。本人曰く「中途半端な年齢」にさしかかっている。家に帰れば夫であり二人の小学生の父である。

☆ 荒れる街・駅前の様子は「ナイフ」と共通している。大人が子どもにおびえるという現実を暴露している。

☆ 主人公と同じ棟に住む中学生が荒れている。その仲間がニュータウンの入り口にたむろし、いたずらをしている。現場を目撃した主人公は彼らに声をかけるが・・・。

☆ 社会のひずみが子どもたちの荒れとして現象化しているように感じた。
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ラベルレス

2018-05-23 14:38:48 | Weblog
☆ アサヒがラベルのない「天然水」を売り出した。(当面はAmazon限定で)

☆ ラベルレスはありがたい。ペットボトルの回収日にラベルとキャップを外して出すのが大変だった。

☆ これは助かる。他の製品も追随してほしいものだ。
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羽田圭介「スクラップ・アンド・ビルド」

2018-05-23 12:03:59 | Weblog
☆ 羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」が文庫(文春文庫)になっていたので読んだ。すごく良かった。

☆ 認知症の始まった祖父と同居する30歳前の男性が主人公。今は、その祖父と母と自分の3人暮らし。祖父は子どもたちの間でたらい回しされ、主人公の家に行きついたようだ。主人公は激務(ブラック)のカーディーラの仕事を辞め、今は就職浪人。専門職をめざして勉強をしているが思うようにいかない。それに祖父の介護だ。

☆ 思うようにいかないと「死にたい」と口にする祖父。いっそのことと思い、主人公は安楽死を計画する。

☆ 介護に疲れた主人公のイライラ感と冷淡な計画とは裏腹に、その外形的な行動だけを捉えれば、実に献身的だ。家族ゆえの暴言があり、家族ゆえの葛藤があり、家族ゆえの後悔がある。

☆ もはや機械的になった、祖父の「ありがとう、お願いします、すいません」のセリフが切ない。


☆ 私は父の介護を18年している。寝たきりになってからは8年だ。胃ろうを増設し、酸素チューブを装着し、痰は機械で吸引する。

☆ 胃ろうがない時代、食べられなくなったら人間は寿命だったのだろう。1週間から10日ほどで衰弱死すると言われた。それも天寿とあきらめるのも選択肢だったが、意識がはっきりしているのに、嚥下障害だけで自然死という名の安楽死を選択することはできなかった。

☆ 酸素にしても、呼吸不全になれば意識が衰え、やがては死を迎えるのだろう。しかし、苦しそうに呼吸する姿を見るに忍びない。わずか1リットルの酸素を補給するだけで、今では酸素飽和度が97%に保たれている。健常者と変わらない。

☆ 痰の吸引を怠れば、窒息するかも知れない。それはそれで仕方がないのだが、誤嚥性の肺炎を起こし(今までに何度も起こしたが)、熱を出したらこれも放置できない。鎮痛解熱剤で熱を冷まし、抗生剤を投薬することになる。

☆ 死ねない時代になってきた。延命に果たしてどれほどの意味があるのかはわからないが、最近は「生きている」というそのこと自体に何か意味があるのではと考えるようにしている。

☆ せん妄で夜中に何度も起こされ、訳の分からない要求をぶつけられ、愚痴を言ったかと思うとしおらしくなる。介護というのは想像以上に肉体的、精神的負担が大きい。これも「修行」と思って踏ん張らないと介護者が壊れてしまう。それに経済負担だ。気張らず、弱音を吐いて、誰かに助けてもらうのも必要なことのようだ。


☆ この作品は、介護のリアルをよく描いていた。
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日大・反則タックル問題

2018-05-23 09:59:21 | Weblog
☆ 日本大学・アメリカンフットボール部の反則タックル問題、記者会見した日大選手の追い詰められた言動を読み、中村文則さんの「A」(河出文庫「A」所収)という小説が思い浮かんだ。

☆ 日本軍、ある兵士が将校になるための根性試しとして拘束された捕虜を斬殺するというもの。上官たちの圧力、兵士の葛藤が描かれていた。

☆ 組織の圧力に追い詰められていく人間のあり様は時代は変わっても変わらないようだ。
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