じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

辻仁成「海峡の光」

2018-08-19 14:08:02 | Weblog
☆ 辻仁成さんの「海峡の光」(新潮文庫)を読んだ。

☆ 青函連絡船の廃航が決まり、陸に下りて刑務官として働く主人公。彼の勤める刑務所にかつての同級生が収容されてきた。主人公は小学生時代、悲惨ないじめに合っていたが、その黒幕がこの男だったのだ。

☆ 自らは決して手を下さない。優等生として君臨する彼の心には大きな闇があった。

☆ 転校し、函館を去った彼との再会。それが主人公の心を動揺させる。

☆ 連絡船の廃止、昭和から平成への時代の流れ、季節に彩られる風景、そして主人公の心の揺れ、それらが美しい文体で織り上げられていく。

☆ その男はかつてのイジメのターゲットだった主人公のことを覚えているのか。彼はなぜ塀の外に出ることを拒むのか。そんなことを考えながら読み進めた。 
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