じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

中田永一「なみうちぎわ」

2021-09-11 16:53:58 | Weblog
★ 5年の昏睡から覚めた女性の物語。「LOVE or LIKE」(祥伝社文庫)から中田永一さんの「なみうちぎわ」を読んだ。

★ 高校生の彼女は、小学生の男の子の家庭教師をすることになった。ある日、家の近くの海で溺れている彼を助けようとして彼女も溺れてしまった。男の子は無事に救助され、彼女も救急隊によって一命をとりとめたが、「遷延性意識障害」(寝たきりで辛うじて生命を維持できている状態)になってしまった。

★ それから5年。ある日突然、彼女は目覚めた。1997年に意識を失った彼女は2002年に目覚めた。彼女は今21歳。しかし心は16歳のまま。一方であの日の小学生はもう高校生。かつての先生と生徒の関係にも変化が。

★ 男の子はこの5年間、ずっとある秘密を抱えていた。

★ 愛と恋のちがいについて、化学反応で解釈しているところが興味深かった。「愛とは状態のことで、恋とは状態が変化するときに放出される熱なのではないか」(87頁)。

☆ 作品の中で、9.11同時多発テロが話題に挙げられている。彼女が「眠っている」間に起こった事件。その事件からも20年が過ぎた。

☆ あの日、私は「ニュースステーション」で事件を知った。塾の授業を終え、何気なくつけたテレビでCNNのライブ映像が流れていた。ちょうど久米さんが夏休み中で女性アナが実況をくり返していた。最初は小型機が貿易センタービルに激突したという感じだった。しばらくして、2機目が大きく旋回しビルに激突した。目を疑うシーンだった。

☆ やがて、アフガニスタン紛争へと進展していく。いろいろあったなぁ。
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