じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

三浦哲郎「おおるり」

2023-09-14 14:43:34 | Weblog

★ 東日本大震災で起こった東京電力・福島原子力発電所事故。それをテーマにしたNETFLIXのドラマ「THE DAYS」を全話観終わった。面白かった。当時の吉田所長を役所広司さんが演じられていた。

★ 決死の覚悟で事故対応にあたる現場。それに引き換え、メンツにこだわり、あたふたと慌てるだけの東電の経営陣や政府関係者のぶざまな様子が印象的だった。

★ 中でも、原子力保安院の院長や原子力安全委員会の会長はまったく無能で役に立たず、それに閣僚だろうかそれとも政党の幹部だろうか、国会さながらにただ喚き散らすだけの政府関係者。中でもひどいのがイラつき怒鳴るばかりの総理大臣。総理大臣が現地に飛んで何か成果があったのだろうか。

★ これを見るに、この国の危機管理のもろさを実感した。廃炉作業は今も続き、「処理水」(あるいは「汚染水」)や残土の問題も積み残されている。「怪獣」の後始末は大変そうだ。(のど元過ぎれば何とやらで再び原子力発電依存も高まりつつある)

★ 引き続き、同じテーマを扱った「Fukushima50」を観始めた。こちらは吉田所長役を渡辺謙さんが演じられている。

 

★ さて今日は、三浦哲郎さんの「おおるり」(「日本文学100年の名作 第7巻」新潮文庫所収)を読んだ。今期のテレビドラマ、「VIVANT」と並び、「ハヤブサ消防団」が好調だ。「おおるり」は消防士が主人公で消防団も描かれている。

★ この城下町の消防署には屯所と呼ばれる分署がある。2人の署員が交代で有事に備えて控えている。とはいえ幸運にして火事で出動することは稀で、署員は普段、息抜きに屯所に顔を出す消防団たちの相手をして時間をつぶしている。いざとなれば共に火の中に飛び込む仲間たち、日頃から気心を知っておくことが大切だという。

★ 屯所では金魚と数種の野鳥を飼っている。野鳥の中でも「おおるり」の鳴き声がうつくしいようだ。向かいの市民病院で付添人をしているという女性がある日、美しい鳴き声の主を探して屯所にやってきた。

★ 物語では「おおるり」の美しいさえずりを背景に、2つの死が描かれていた。

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