★ 寒暖の差が大きい。昼間が短くなった。少しずつ季節が動いているようだ。
★ 今日は、松本清張さんの「黒い画集」(新潮文庫)から「紐」を読み終えた。さすがミステリーの大御所。何重にも張り巡らされたどんでん返しに感服した。
★ 多摩川の河川敷で見つかった男性の死体。両手両足が手ぬぐいで縛られ首には紐が巻かれていた。男はもともと岡山の田舎で神主をしていたが、田舎暮らしに飽き足らず、実家や知り合いから大金を集め、一発当てようと東京に出て来ていた。
★ 警察は始め、危ない仕事に関わった男がその筋に殺されたのではと疑ったが、これといった証拠が出てこない。男の妻や姉夫婦にも疑いをかけるが、完ぺきなアリバイがあった。
★ 捜査は行き詰まりお蔵入り。そのころ警察とは別に保険会社が調査に乗り出していた。男には多額の保険金が掛けられていたのだ。話は保険金目的殺人へと舵を切る。
★ 警視庁の捜査担当者、保険会社の調査員、それぞれが推理をぶつけ合う。そして出てきた真相は・・・。
★ 昭和34年の作品。ストーリーが明快で読みやすく、それでいてドラマチックで面白い。名作は時を経ても色あせない。