★ 近隣の中学校の中間テストまであと3日。この三連休はテスト対策に追われる。
★ さて今日は、やはりこの作品でしょう。今西祐行さんの「ヒロシマのうた」を久しぶりに読み返した。中学生の頃、集団読書で使ったテキストが残っていた。
★ 広島に原爆が投下され、その救護に向かった兵隊たち。広島の街、練兵場周辺は地獄のようなありさまだった。惨劇の描写は想像するだけで震えそうだ。
★ ある水兵は救護所の近くで母子を見つける。母親は衰弱し、目も見えない様子。腕にしっかり抱いた赤んぼうは母親の乳を吸っては泣いていた。やがて母親は亡くなり、このまま放置すればやがて赤んぼうも死んでしまう。その水兵は、母親の腕から赤んぼうを引き取り、預かってもらえる人を探す。
★ とはいえ、誰もが自分のことで精一杯。運よくリヤカーを引く夫婦に託すことができたのだが・・・。
★ それから7年、15年と月日が流れる。偶然にも、元水兵は当時の赤んぼうだった少女と再会を果たす。
★ 中学生の頃はそれほど気にも留めなかったが、今読むと涙が出そうなほど感動した。
★ 戦争ほど残酷なものはない。原爆は一瞬にして多くの人々を殺傷する悪魔の兵器だ。また原爆が放った放射能は時間を経て人々を苦しめる。原爆の残酷さを知りながら保有国はどうしてそれを放棄できないのか。人々の心に疑心暗鬼がある限り、国家に覇権への野心がある限り、果たせぬ夢なのか。
★ 日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞した。受賞が決まった会見場で代表委員と席を共にした若い人々が印象的だった。平和への願いが受け継がれているのが心強い。