環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関して、与党民主党が本格的議論を始めるとの報道がなされておりました。大いに議論することは当然のことですが、何となく結論は見えているような気がします。
紆余曲折があってもTPPへの参加は避けられないでしょう。その論拠は、「世の中の趨勢だから」とか「このままでは日本だけが取り残される」とか色々な主張がなされるでしょう。そして影響が大きい産業には手厚く配慮をするから、何とか理解して欲しいということになるのでしょう。問題が発生した時の何時ものパターンのような気がします。農業に関して言えば、結局は補助金を出すからということにでもなるのでしょうか。いくら補助金を積んでも農業が衰退してきたことは歴史が証明しているところです。10アール当たり年間10万円とか20万円の補助金があるのであれば未だしも、数千円から精々1万円程度の補助金であれば、言葉が汚いのですが「屁のツッパリ」にもなりません。おまけに「あれを作れ」とか「これは作るな」とか誰かが勝手に決めておいて、それが失敗しても誰も責任を取りません。補助金を渡すことによって、型枠にはめ込もうとするするような従来の手法は最早通用しません。この点も大いに議論が必要なところです。
TPPへの参加は経済合理性を追求する立場からすれば、至極当然の帰結ですが、本当に全てがボーダーレス化することが良いことなのでしょうか。皆さんは、本当に経済合理性のみに従って行動しているのでしょうか?
さて、江戸幕府が開国した時に欧米列強から「治外法権」を認めされられ、「関税自主権」が無い不平等条約を押し付けられました。これらを撤廃するために我が国の先人達が如何に多くの犠牲を強いられたかということを思い出す必要があります。一時の利益のために早計な結論を出すべきではないと思います。TPPの議論は「国家百年の大計」です。嫌になるくらいの議論をすべきではないかと思います。