今日はキノコ
山の中にたくさん生えていました。毒ではなさそうです。
田の浦海岸でスナビキソウを調査しての帰りにもう一つ調べなくてはならないことがあります。室津半島の先端部にある皇座山の山頂近くで6月の初めにアサギマダラがオオカモメヅルに産卵しているのが見つかったとの報告がありました。私もすぐに確認に行ってみたのですが確かにオオカモメヅルがあってそれにアサギマダラの卵がたくさん見つかりました。この辺りでアサギマダラはほとんどキジョランで繁殖しているとの見方が覆されたのです。カモメヅルの仲間がアサギマダラの食草になることは知っていましたがオオカモメヅルがどんなところには生えているのか知らなかったので今まで見逃してきました。オオカモメヅルという植物を見ても他にもよく似た草があるので確認するのは最初はとても難しくてアサギマダラの卵や幼虫の付いている草がオオカモメヅルで付いていないのがヘクソカヅラと分けて見ていました。葉の形はとてもよく似ているのです。三度山へ入って調べた結果ようやく見ただけでオオカモメヅルとヘクソカヅラの違いが分かるようになりました。今日は写真でその違いをよく分かるように示しましょう。今まではアサギマダラの卵や幼虫のいた場所のみの調査でしたが今日は山頂付近の広い範囲を調べてみました。オオカモメヅルは数は多くないものの広い範囲に分布していることが分かりました。七月の今現在は新しい卵が無いものの九月以降には秋の繁殖が見られるかも知れません。皇座山に登るたびにアサギマダラが多いと感じていたのですが一つの謎が解けたような気がします。山の麓に近いところの沢にはキジョランがあるはずですがこうして山頂付近にも食草がたくさんあるのでアサギマダラにとって繁殖地としてよい場所ではないかと感じました。
オオカモメヅルの分布を調べながら山頂まで登って驚きました。山頂の草原の中にイケマが一株あったのです。日当たりの良い所なのでアサギマダラの幼虫や卵はありませんでした。周防大島や近くでずいぶんイケマを探しましたが昔大島で一本見ただけでこの辺にはないものと思っていたのに標高526メートルの皇座山の山頂にあったのです。ここにあるということは他にもあるはずですからもっとよく探してみたいものです。家で飼育に使うために蔓を1本摘んで帰りました。挿し木で増やすつもりです。イケマは日本全土に分布していることになっていますが近くでは本当に見たことがありませんでした。今日の調査ではスナビキソウやオオカモメヅル・イケマなどのことがよくわかってなかなか有意義でした。なお、皇座山ではアサギマダラは3頭しか見ませんでした。
皇座山のオオカモメヅル
歩いていると前をアサギマダラが飛んでいました。
オオカモメヅルの花
同じような所に生えていて葉がよく似ている紛らわしいヘクソカヅラ
これより下はまたカモメヅルです。
オオカモメヅルの葉の付け根には何もついていません。
ヘクソガヅラの葉の付け根にはガクのようなものが付いています。
花が付いていればオオカモメヅルとヘクソカヅラは全く違いますのでよくわかりますが、花の無い時には葉の付け根の違いを見分けるとよいでしょう。
皇座山の山頂
山頂にあったイケマ
イケマを一蔓持ち帰って挿し木しました。
オオカモメヅルも1本挿しました。