曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

大島の最も高い山嘉納山へ久しぶりで登りました

2015年07月18日 | 日記

今日の風景

午前中まだ台風の名残か墨絵のような景色でした。

 

午後には晴れ渡り湾内に停泊していた台風避難の貨物船もいなくなりました。

 


 みかんへの台風の被害もまったくなくて喜んでいます。仕事の方は摘果作業と草刈りに追われていますが、午後には気持ちよく晴れたので夕方山へ登ってみました。一番の目的はアサギマダラの食草である「オオカモメヅル」が大島にもあるかどうかの調査です。今年6月に初めて室津半島の皇座山でオオカモメヅルを見つけて以来皇座山へ4回調査に行きました。環境から見て大島にもオオカモメヅルはあるはずと考えましたがなかなか調査に出かけることができませんでした。幸い嘉納山へは山頂近くまで車で行けるので気が楽です。山頂までの100mほどを歩いて調べました。やはり予想通りオオカモメヅルは見つかりました。蔓植物としては小さいのでよほど注意しないと見つかりません。その上葉の形がヘクソカヅラにそっくりで遠目に見たのでは区別が尽きません。皇座山で沢山の個体を見てきたので間違うことなく見つけることができるようになりました。昨日の調査では分布は北側斜面の林の中で南側斜面では見つけることができませんでした。要するにカンアオイと同じ環境で育つような気がしました。今の時期ですからアサギマダラの卵や幼虫は見つかりませんでしたが食痕らしきもののある株はありました。今後他の山々も調べてみたいと思います。実際にアサギマダラがオオカモメヅルで繁殖しているのかどうか確認する必要があります。山の中を歩くついでにイケマやコイケマも探しましたが今まで通り見つかりませんでした。

山頂付近を歩いている時に少し開けたところでアオバセセリが飛び回っているのに出会いました。今日は写真にしっかり撮って来たので今年の虫の会会報へも報告ができます。大島ではアオバセセリの確認は今までありません。新しい発見といってもよいと思います。アオバセセリは食草が限られていてアワブキかヤマビワがないと繁殖できません。ヤマビワの樹は海岸近くにあるところがありますがアワブキの樹は見たことがありません。でも嘉納山の山頂付近で飛んでいたということは食草のアワブキがどこかにあるのかもしれません。アワブキがあればスミナガシもいる可能性があります。上空を飛び回る蝶がアオバセセリだとはすぐにわかったのですがアオバセセリの習性として夕方に飛び回ることがあるのですがそんな時にはほとんどどこへも止まってくれません。証拠写真を残すためには飛翔の姿を撮るしかないのです。アゲハやアサギマダニのような大型の蝶は飛翔写真も撮りやすいのですがセセリチョウの仲間は飛ぶのがすばやくて飛び方も不規則です。飛んでいる姿を止めるためには1/2000秒くらい必要ですが夕方の6時過ぎですから光が足りません。ISOを6400に上げて1/1600秒で撮ってみました。目の前を横切る時に撮るのですからクレイ射撃のようなものです。いつ来るかわからない不規則さがあるのでファインダーをのぞいていたら撮れません。蝶が見えた瞬間にシャッターを押します。ISOが6400ではやや鮮明さにかけますが何枚か確認できるほどの写真は撮れました。

 


大島で初めてのアオバセセリ

 

最後の一枚、一瞬2秒くらい樹にとまりましたがその後いなくなりました。

 


大島で初めて見つけたオオカモメヅル

 

こんな所にありました。登山道の北側斜面です。7月と8月の夏間にはこの林の中でアサギマダラによく出会います。だからアサギマダラたちはオオカモメヅルがあるのをよく知っているのでしょう。

 

嘉納山の山頂

山頂から広島方面を望む。

大島の東側、東和の浮島。

 

うれしいことに新しい発見が二つもありました。日の長い時期とはいえ家に帰りついた時にはもう暗くなっていました。