今日の花
少し開きすぎですが薔薇は薔薇
5月になりました。新緑の美しい気持ちの良い季節です。目につく蝶の種類もずいぶん増えました。今年はまだアサギマダラの姿を見ません。遅いですね。南の島で春の早い時期に生まれ、北を目指して飛んでくるのは平年ですと周防大島では4月の下旬ごろからです。また周防大島で越冬した幼虫が蛹となり羽化し始めるのも4月の下旬からです。南から北上したアサギと地元で冬を越したアサギとが連休頃から見られるのですが今年はどういうわけかまだお目にかかれません。
虫や蝶が発生する時期はその地域での食草の生え始める時期と関係があります。昨年からいろんな食草とアサギマダラの関係を調べてみようと食草を育てることから始めました。日本でも南の方の地域ではアサギマダラにとってキジョランが一般的な食草ですが、キジョランの無い山の中でもアサギマダラは繁殖をしているようです。幼虫は何を食べているのかあちこちの山で調べてみるとキジョラン以外の食草が結構たくさんあることが分かりました。そこで今年はアサギマダラが餌とする植物を集めそれらの植物の性質を知ることから始めようと考えています。近くの山で手に入るものは自分で探してきました。この地域に無い食草は遠方の知人から送っていただきました。今7種類集まっていますがあと数種類は手に入りそうです。アサギマダラの繁殖に最も適した食草は何だろうという疑問に答えが得られるかもしれません。
と言うことで今日のテーマはとてもマニアックな問題で興味の無い方も多いかと思いますがどうぞここでお帰りになられても結構です。是非またの日にお越しくださいませ。
アサギマダラの代表的な食草であるイケマ
イケマは植物図鑑で調べると日本全国にあることになっていますが日本でも北の方に多くて山口県などではなかなか見られません。九州や四国でもおそらく珍しいものと思われます。昨年の秋に県内を探しましたが見つけることができず、滋賀県のSさんにお願いして株と種とを送っていただきました。下の写真は送っていただいた株から芽の出たものです。また、種の方は11月の末に播いておいたものが今年4月の初めに沢山発芽しました。発芽したイケマが少し大きくなったので今日は30本ほど鉢に植え替えをしました。
発芽したイケマの植え替え
本葉が4枚になっています。
まだイケマの苗はこんなに残っています。プランターの中には100本以上あるでしょう。発芽率は大変良いようです。
イケマの種
コイケマ
イケマに似た植物ですが関西より西の地方に多いようです。私の島にもまた近くの山々にも見られます。コイケマは比較的日当たりの良い所に生えます。
オオカモメヅル
昨年の秋に種をまいたもの
オオカモメヅルの種
コカモメヅル
コカモメヅルの種
キジョラン
昨秋のアサギマダラの食痕が見られます。
その他 ガガイモ・サクラランも栽培しています。
食草ではありませんがアサギマダラを呼び集める植物
スナビキソウ
6月の挿し木
9月の挿し木
秋の挿し木は成績が良くないようです。スナビキソウは種もまいてあるのですがいまだに発芽しません。
水前寺菜
昨年屋久島のKさんに送っていただきました。まだまだ花は咲きそうにありません。
庭のフジバカマ(サワフジバカマ)
もう30年以上ここで繁殖しています。アサギマダラだけでなくカバマダラもこの花が大好きでよく来ます。
京都の原種フジバカマ
昨年の秋に京都のMさんより西山で見つかったという原種のフジバカマを送っていただきました。その花に昨秋にアサギマダラはたくさん寄ってきました。そして花が終わると種ができていたので播いてみると意外に発芽率はよくで小さな芽がたくさん出ています。
今まで園芸種のサワフジバカマで何度も種をまいてみたのですが一度も発芽しませんでした。フジバカマとサワヒヨドリとの交配種では種ができないのかもしれません。原種フジバカマの種は十分に発芽することが分かりました。
今後の結果を楽しみにしています。
こちらではイケマが沢山あるので、種は大量に採取してありますがそれは近所の草地に播種することにし、晩秋に株上げしたサンプルがあるので3鉢、ガガイモが1鉢くらいで、庭に放置して6月の産卵状況を見守る構想です。