さて先日のこいわしについてのうんちくです。
広島のこいわしの解禁は基本的には6月10日・網入れは朝5時です。魚市場はもうセリが始まっていますから、とにかく早く一番網を入れてすぐに高速の運搬船で草津市場へ直行です。競り落とされた朝どれのこいわしは昼前にはスーパーに並びます。
スーパーではそのままトレーで並べるものとあとは手作業で1匹ずつさばいて刺身です。捌くのは昔は竹を薄く削ったヘラ・いまは箱など縛る固いひもを丸めたものです。こうすれば仕入れ値の10倍ぐらい高くなります。それでも元の値段が安いので、ほとんどの家庭はさしみは自分作らず捌いたものを買っていきます。
広島に「大河(おおこう)」という漁港がありますが、ここでは地元のおばさんが仕入れてリヤカーに積んで市の中心部にきてから道路端のビルの陰ででさばいて売っていました。(過去形)・・新しい人がやらなくなって年寄りばかりになり消えてしまいましたが、それでも一番最近見たのは3年前だったでしょうか。
この風景はもう見られなくなりました。
別の状況では・・・職場の食堂などでは丸ごと内臓も含めて天ぷらにしたものを一匹単位で売っていました、私が広島に出たころは1匹5円、熱々のものはおいしいのです2匹買ってソースをたっぷりかけてご飯のおかずが定番でした。今やそんな職場食堂もなくなりました、卸の業者が捌いて衣をつけて売る時代です。値段も処理料が入るので高くなりますし内臓を取り除いているので味もシンプルな野性味のない食べ物になってしまいました。
広島の小料理屋に行ってこいわしのてんぷらを食べたとき、この状態のものが出たら自分で処理しない素人小料理屋と思ってください。

今日のおまけ画像です。今年もモリアオガエルがやってきました。鯉の池の水の上に卵を産みます。泡の中でふ化したオタマジャクシは下の水に落ちますが・・・そこは地獄です、落ちてきたオタマジャクシを待っているのはイモリです。生き延びたものだけがのちの世に命をつなぎます。自然の世界の厳しい現実です。
それにしてもカープのふがいなさ・・・交流戦はよくって引き分け・あとは黒ばっかりです。今日もやっと9回に追いついたから引き分けかと思いきや最後にサヨナラです。佐々岡監督は楽しいでしょうね・もう誰もが期待していないのですから来年のために選手育成に取り組む実験ができます。