観察館日記

藤前干潟の庄内川河口部にある名古屋市野鳥観察館の日記帳です。

春近し&コアジサシ営巣誘致募金のお知らせ

2018-02-14 23:36:15 | 冬の藤前干潟

藤前干潟
今日の干潮時間11時31分 潮位 85cm
今日の満潮時間17時09分 潮位206cm

 

今日は、北陸地方などでは春一番が吹いたようですが、藤前干潟周辺は風がなく、とても穏やかな陽気でした。

稲永公園や庄内川護岸を歩く、散策の方、バードウォッチャー、カメラマン、ポケモンプレイヤーなども多く見かけました。

また、はるばる愛媛から学習にやってきた大学生のグループの来館などもありました。

 

今日は、潮が良く、お昼前頃から庄内川河口には広い干潟が干出しました。

そして、その後、満ち潮になり干潟が小さくなっていく時間帯に、干潟を見に行ってきました。

庄内川護岸を歩きながら、上空を見ていると、ずんぐりした体形が特徴的な飛行機が飛んでいました↓。

国内では、通常はセントレア(中部国際空港)にのみ飛来する「ドリームリフター」という飛行機です。このときはセントレアに向けて飛んでいるところで、セントレアに到着後、愛知県内で製造された飛行機の部品を載せて、最終組立工場のあるアメリカに飛んでいくそうです。この飛行機を見られるのもものづくりの産業が盛んな愛知にある藤前干潟らしい風景だと思います。

 

護岸沿いでは、凪いだ水面でキンクロハジロの群れがのんびり休んでいました。

目をつむって休んでいる個体もいましたが、黄色の目を開けている個体もいました。

護岸近くの干潟には、期待したシギ・チドリの姿はイソシギ1羽以外はありませんでしたが、今日はアオサギ数羽とコサギ2羽が干潟で餌をさがしているのを近くで観察できました。

干潟の上でじっと動かず、獲物を待ち伏せするアオサギ↓。

干潟が小さくなるにつれ、ズグロカモメが近くまで飛んできて、カニを捕っていました。このズグロカモメは、初列風切羽の先端に白斑がないことなどから、若い個体です。目の周りなどの黒色の部分が少し増えたように見えましたが、若い個体は夏羽に換羽しても、完全には真っ黒な頭にはならないことがほとんどだそうです。

すでに頭がほぼ黒色になった成鳥のズグロカモメも野鳥観察館からは観察できたのですが、このズグロカモメはなかなか護岸近くには来てくれませんでした。

また、夏羽への換羽は他の冬鳥たちも始まっており、頭が黒色になり始めたユリカモメ、さらには、赤色っぽい羽根が顔に生え始めたカンムリカイツブリなども観察できました。

暖かい陽気の中、春の訪れも近いと感じた1日でした。これからさらに春が近づく中での、生きものや風景の変化が楽しみです。

 

稲永公園では、ルリビタキをとても近くで観察できました。

いつもに比べてふっくら丸っこく見えました。

野鳥観察館前の水たまりには、ヤマガラ↓、キジバトなどが水をのみにやってきていました。 

今日の稲永公園では、キジバト、コゲラ、ハシボソガラス、ヤマガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ムクドリ、ツグミ、ルリビタキ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、オオジュリン などを観察できました。

 


【コアジサシ営巣誘致募金のお知らせ(日本野鳥の会愛知県支部)】

そして、今日の最後は日本野鳥の会愛知県支部「コアジサシ営巣誘致募金」のお知らせです。

コアジサシは夏に日本などにやってきて子育てを行う小型のカモメの仲間。

そのキリリとした顔つきからファンの多い渡り鳥です。

(↑2011年6月撮影)

数年前まで、コアジサシは藤前干潟の夏の主役のひとつであり、春から夏にかけて、魚を狙う多数のコアジサシがキリッ、キリッと鳴きながら川の上を舞う光景が当たり前のように見られていました。

しかし、藤前干潟近くにあったコアジサシの営巣地がなくなり、ここ数年はコアジサシがほとんど飛来しなくなってしまった藤前干潟(昨シーズンは1~10羽程度が見られた日があっただけです)。

また、愛知県内では、藤前干潟以外の場所でもコアジサシが営巣している場所がいくつかあったのですが、近年、良い営巣地がほぼなくなり、その飛来数が激減してしまっています。

そこで、愛知県に再び多数のコアジサシが飛来するように、日本野鳥の会愛知県支部では、今シーズン、積極的にコアジサシの営巣誘致を試みるそうです→詳細はこちら(コアジサシ保護プロジェクト始動!(日本野鳥の会愛知県支部のブログ))。

 

そして、現在、このコアジサシ営巣誘致の活動のための募金を、日本野鳥の会愛知県支部が募っています。

詳しくはこちら(コアジサシ募金のお知らせ(日本野鳥の会愛知県支部のブログ))をご覧ください。

募金は一口500円で、募金された方はコアジサシの缶バッジがもらえるそうです(缶バッジは2種類あるそうですが、↓の写真に写っているのはそのうちの1種類です)。

 

さらに、営巣候補地に設置してコアジサシを呼び寄せる「コアジサシのデコイ」を量産したそうです。

こちらが作成されたコアジサシのデコイ↓。

しかし、このデコイは材質が紙質とプラスティックの混合材料で白色なので、誘致の効果を高めるために、コアジサシの色合いにする必要があります。

さらに、たくさんのデコイに色塗りする必要があるので(何と目標は300個!)、このデコイの色塗りイベントが3月17日(土)に名古屋市天白区にあるなごや生物多様性センターで開催されることになったそうです。

イベントの詳細・参加方法についてはこちら(コアジサシデコイ色塗りイベント(日本野鳥の会愛知県支部のブログ))をご覧ください。

募金として1,000円寄付された方は、このコアジサシデコイ1体(塗装前)をもらえたりもするそうです。

 

コアジサシのデコイと、コアジサシの缶バッジ(1種類のみ)については、現在、野鳥観察館に見本がありますので、手に取ってご覧いただけます。気になる方はぜひスタッフにお声をお掛けください。

また、野鳥観察館でもこの募金を受け付けられるようになるかもしれませんので、その際は、またブログ等でご案内させていただきます。

 

明日の干潮時間12時03分 潮位 75cm
明日の満潮時間17時43分 潮位215cm

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