この度の中村勘三郎さんのご逝去には、哀惜の念に堪えません。
心よりお悔やみを申し上げます。
正直に申しますと、自分がこれほどの衝撃と寂しさに見舞われるとは、少々意外感を持って受け止めているほどです。
何故なら、私は歌舞伎とはあまり縁がない暮らしをしてきましたから。
東京の歌舞伎座に出かけたのは、夫婦では数度。
他に、勘三郎さんとほぼ同じ年齢のころ亡くなった、大学時代の親友と観劇したことがあります。
その時の演目は、伊達家のお家騒動を扱った先代萩と、京鹿子娘道成寺でした。
但し夫は、若かりし頃は、割とよく歌舞伎座にも出かけていました。
私は子育てで、とても付き合うのは無理な時代のことです。
映画鑑賞が趣味で、その造詣の深さは、素人離れしている人ですが、映画に限らず、現代劇、歌舞伎などの観劇も好む人でした。
日生劇場や歌舞伎座に、しばしば出かけていたのを、よく覚えています。
今は目を患い、足しげく通った映画館にも、一切出かけなくなりましたが。
その旦那さまが、勘三郎さんの訃報が報道された日に、私のそばに来て、亡くなった事を一言、寂しそうに告げてくれました。
私はむろん、その前から知っていて、その驚きと悲しみを、夫婦で分かち合いました。
天与の才能と渾身の努力で益々輝きを放ち、大衆からも愛されておられた勘三郎さん。
歌舞伎界の発展にはなくてはならない人を失った悲しみは如何に大きいことであろうと、察するに余りあるものがあります。
近年では、観たわけではありませんが、野田秀樹氏との共作共演の話題が、とても印象に残っています。
現代劇との融合も、時には厭わない人でしたね~
更に私達の哀惜の情を強くさせるのは、お人柄の明るさ、優しさ、親しみやすさ等ではなかったでしょうか。
これも私が受ける個人的印象でしたが、逝去後の思い出を語る報道では、その通りのお方のようです。
実にきめ細やかな心配りと温かな情愛で、人に接することがができる方のようでした。
NHKの黒田アナウサーへ、携帯メールで励ましの言葉をかけられた話題を知るに及んで、ますますそう思った私です。
黒田アナウサーは、次女や婿の友人のお姉さまに当たり、大学も同じです。
それだけに、歌舞伎界の大スターの勘三郎さんが、とても身近に感じられるエピソードでした。
更に幼い頃は、天真爛漫なキャラクターで、お茶の間の人気者だった勘九郎君の幼気ない姿が、今も胸に焼き付いています。
可愛い~と、思わず言葉が出てしまうほどの愛くるしさでした。
それゆえに、その成長の過程にも思いを馳せることが、たとえ想像でも出来る私達。
余りに早いご逝去に、寂しさが募る一方です。
歌舞伎界を背負って立ち、今後も益々後進の指導に当たり、その発展のためにご尽力される方でしたでしょうに。
本当に残念です。
心より哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り申し上げます。
今日もお訪ね下さいまして有難うございました。
記事の内容にテンプレートの柄が余りに相応しくないので、今日だけ元に戻しました。