認知症の人の症状は、見た目の外観やちょっと話したくらいでは、全く分からないそうです。
正常な人と何ら変わりないとのこと。
しばらくいろいろ話すうちに、同じことを幾度も繰り返す。
昨日の出来事がすっぽり記憶から抜けている。
そんな相手の言動から、次第に普通の人と違うことが認識されてくるとの事。。
昨日の記事に登場してくださった、介護施設に入居なさっているUさんのお話です。
冗談で、
「施設にいると、自分が非常に優秀な人間のように思えてくるの」
と、お茶目っぽくおっしゃいます。
いえいえ事実、とても聡明なUさん。
折々で、そのように、私は感じてきました。
その彼女から、認知症や体力の衰え予防のために、施設で日課となっている体操をいろいろ教えてもらったりもしました。
お食事処、「梅の花」に飾られた五月人形
観ているだけで、心が引き締まるよう。凛々しい気持ちになれました。
彼女は、とても明るくて、愚痴はおっしゃらない。
その態度は、パーキンソン病を患われてこの十数年、一貫して変わらない態度です。
脱ぎ着が簡単でリッラクスできる服装を心がけていらっしゃいますが、お元気なころのお洒落のセンスは、今も健在。
お顔はいつも輝いた表情で、澄んだ瞳が、とても印象的です。
素敵に日々を暮らそうとの心意気が、私に伝わってきます。
ご主人の急逝、施設への入居、といった暮らしの激変の厳しさを乗り越えての、彼女の生きる逞しい姿勢に、私はただただ敬服。
できれば、私も彼女を見習った生き方をしたいもの、と心から思っています。
パンジー・ヒデンス・アサギリソウ・ブルーデージー・ラベンダー
Uさんに、その明るさはどこから生まれるのか、尋ねてみました。
彼女の答えは、
「人のために自分は役立っている、との自負心を忘れないこと」
とおっしゃいました。
自負心は言い換えれば、自尊心のようでした。
奥の深い彼女の言葉をしみじみかみしめた私です。
そんな彼女でも、胸に迫る思いを抑えがたいように、時に涙ぐまれます。
ご主人を失われて、まだ二年少々しか経過していらっしゃらないのですもの。
それは当然ですね~
「私を残して、あっという間にいなくなってしまうなんて」とおっしゃり・・・・・・。
けれど、お会いしたとき、ご主人のお話をなさることはほとんどありません。
恐らく大切な思い出をそっと胸に秘めて、お暮らしになりたいのでしょう。
梅の花のお料理
私の口にはとても合い、いつ頂いても美味し~い!
マンション住まいの息子さんの勧めで、最近、家を手放されたUさんですが。
家具がすべて処分され、がらんどうになった自宅を訪ねたときは、辛かった、と。
想い出濃いすべての台所用品がなくなったキッチンに立った時、いたたまれず、泣き崩れてしまわれたようでした。
他の人に気づかれないように、蛇口の開栓を全開にして・・・・・・。
思いがけない出来事で、一瞬にして、その土台を失ってしまった彼女。
主婦として母親として、Uさん同様に幸せな家庭を営んできた私です。
その不幸を受け入れなければならなかった彼女の苦悩が、解りすぎるほど理解できました。
帰宅後も彼女の言葉を幾度もかみしめ、そのたびに目頭が熱くなってしまって・・・・・。
しばらくの間、涙なしには思い出せない事でした。
けれど、その時は、すぐ元の明るさに戻られたUさんです。
レストランのお料理の撮影は多少の気兼ねがいつもありましたが、
お店のPRにつながるようなブログへの掲載であれば、ほとんどのお店が認めているようです。
新聞で知りました。
周りの方の迷惑にならないように、さりげなく撮りたいものですね。
私は、夫のことが気になるため、「梅の花」を出ると、夕食の食材を買うために、そのままスーパーへ。
Tさんが、Uさんを施設に送られました。
Tさんのその後のお話では、彼女はお食事会のひと時を心から愉しまれたようです。
また近いうちに再会しましょうということになり、来月にも実現しそうな雰囲気。
もうこの三人のメンバーで幾度も会っている私達ですが・・・・・・。
六月ごろには私達が発起人となって立ち上げた名称「よつ葉会」の人たちとも、初夏の頃、お会いできそうです。
次女が中学入学の年以降から、もうすぐ三十年近くになるお付き合い。
再会が楽しみでなりません。
ご覧下さいまして有難うございました。
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