今日は葬儀のことについて触れたいと思います。
今の時代、生前に、エンデイングノートを作成する方もいらっしゃるようですが、夫は死後の準備など全くしていませんでした。
肝臓がんを発病した五年前から、目も難病も患い、人の識別も出来ないほどでしたから、そのような準備は無理だったのでしょう。
ゆえに、亡くなった時、どなたに報告すれば良いのか分からず、戸惑ってしまった私です。
親しい友人、同僚など、私がよく存じ上げている四、五名の方にのみお知らせしました。
退職し長い年月が経過していたため、私は家族葬のようなささやかな葬儀をイメージしていたのです。
ところが思いがけず、百名を超える大勢の同僚や友人が参列してくださり、びっくりした次第です。
郷里の広島、札幌、徳島、大阪、兵庫など他県から遠路はるばるから駆けつけて下さった方も、十数名いらっしゃいました。
さらにお通夜の日、多くの方々がお焼香を上げるのみでなく、列をなし、一人ひとり、祭壇の夫の棺まで足を運んで下さったのです。
その姿を長い時間、目にすることとなった私は、親密な良き友人や同僚に恵まれた旦那さまの人生を思わずにはいられませんでした。
そして深い感慨に浸っていました。
その方達が、その後、私にもご挨拶を。
中・高、大学時代の友人、卒業後入社した会社時代、退職後、十数年勤めた第二の職場の人たち。
旦那さまと違い、私はささやかな数コマの想い出とのみ繋がっている人たちがほとんどでしたが。
海外赴任となり、30代の中ごろ、共に異国の地で過ごした人達はほとんど全員、お越しくださいました。
愛しい想い出多き時代への懐かしさが込み上げ、胸が詰まり、私は感無量に。
皆、齢を取って、初老の紳士に。
そのため、名乗って下さいませんと、確実にお見それしてしまったことでしょう。
歳月の流れは、いずれの方々にも抗し難い現実を突き付けているのだとの思いが、心をよぎり・・・・・・。
夫は、少々早すぎたけれど、死を迎える覚悟が迫られる年齢であることに、皆変わりなく、
夫の他界は止むを得ないことと、後で自分を慰めもしました。
銀行時代だけでなく、退職後引き続き働かせてもらった大手食品会社も、夫は国際畑で活躍。
銀行時代と同様に、良き同僚、部下に恵まれ、海外出張も多く、充実した会社人生を送ることができた旦那さまです。
その方面の方々も大勢、ご参列くださり、私にもお声をかけて下さいました。
「よく本を送ってもらった、メキシコ駐在だった~です」と具体的に自己紹介して下さる方もいらっしゃり・・・・・・。
私はお目にかかったことがない人ばかりでしたが、旦那さまの日頃の話から、思い当たる方達ばかり。
記憶力がまだまともで、失礼にならず良かった、と変なことに安堵したものです。
お通夜も無事に終わり、式場から車で7~8分のわが家に戻ったのは、9時を回っていたでしょうか。
喪主としての務めを何とか無事にこなすことができた私でしたが、明日に葬儀が控えています。
夫がなくなってから、不眠症になってしまった私。
真夜中の一時過ぎに目が覚め、明け方までほとんど一睡もできない連夜でした。
それにもかかわらず体調は悪くなく、そのおかげで、その後の事も、喪主として滞りなく落ち着いてこなすことができました。
しっかり者の娘たちの支えと、恐らく、旦那さまへの篤い思いが、私を気丈にしてくれたのでしょう。
葬儀に当たり、自信が全くなく、気になり仕方がなかったのは、葬儀の最後に述べなければならない喪主の挨拶でした。
このことについて、明日、綴りたいと思います。
今回ブログにアップした写真は、ボードに張り、葬儀の日、式場の隅に飾りました。
夫と孫の相性は抜群で、相思相愛。
その世界には誰も入り込めないほどでしたから。
その光景の一端をご紹介したくて。
写真はすべて娘たちが選んで、家から持参したものです。
追記
今回の一連の記事は、葬儀の事ばかり時系列に綴ってしまいました。
他人の葬儀など、皆さんはきっと興味はありませんよね。
多少気持ちに落ち着きを取り戻してきた今、読み返すと何だか少々恥ずかしい気分に。
恐らく、私は、葬儀までのあまりに生々しい思い出を書くのは忍びない心境だったのだ、と思います。
夫がとても親しくしていた同僚に、
「とても温かな、いい葬儀でしたね」
と言われ、あまりに嬉しくて、その言葉を支えにして、今回の一連の記事を綴りました。
とは言っても、特別な趣向を凝らしたわけではなく、夫の好きな映画音楽を流しながら、ごく当たり前の仏式の葬儀でした。
昨日は思いがけないたくさんの応援をいただき、本当にありがとうございました。
元気を出さなければ、と改めて思いました。
昨日は昼下がりに家を出てデパートに。
お香典返し、四十九日のの準備等、相変わらず忙しい日々ですが、心はいつも泣いているような状態で、目が潤んで仕方ありません。
他人には、さぞ暗い雰囲気の人と思われているのかしら?と心配に。
いえいえ、憂いのある顔が、かえって素敵に映っているのかも知れない(笑)、などと勝手に思い、自分を慰めていました。
ご覧下さいまして有難うございました。
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花のように泉のように