普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

皇室と出雲大社

2014-10-06 15:51:21 | まあまあ社会<的>な
昨5日、出雲大社・権宮司の千家国麿さんと、皇室に連なる高円宮典子さまの結婚式が行われた。

一昔前なら、あり得ない事が起きたのだが、あまりそのことに触れるメディアもない。

ボクの知る限り、出雲大社と皇室の関係は、言ってみれば征服者と被征服者としての関係から始まる。記紀に登場する所謂「国譲り」神話に描かれているものだ。

4月に「故郷・島根のこと」でも「国譲り神話は、土着の縄文系住民と大陸或いは半島からの移住民である弥生系住民との覇権争いの結果惹起した、非常に現実的なパワーポリティクスというか、権力の平和的移譲という事実としてある」と書いたが、土着の大国主命(=大物主命)が、大陸からの移住民である天孫系の先遣隊長とでもいうべき建御雷神(タケミカツチノカミ)に、出雲大社の建設を条件として「国譲り」を承諾したとされるのだが、記紀神話が歴史的な事実とは言わないまでも、歴史の一コマを記したものであるなら、今回のお二人の結婚は、日本と言う国家を揺るがすような、2千数百年を超えたある種の政治的和解の儀式とでもいえるのだ。

百年も前ならこのことは、国民を二分するような議論を巻き起こしていたかもしれない。また百年も前ならそれこそ「お下げ渡し」的な受け取られ方をしたことだろう。

まぁ、いまと言う時だからこそ可能だった結婚なのだろう。

それにしても。これは日本という国にとって、なんらかの意味ある出来事なのだろうなと思う。具体的に「なにか」を言うことはできないけれど、できることなら前向きな何事かであって欲しいものだ。