河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

治さない治療

2005-07-17 | Private
最近診療をしていて考えたことがある。
整形外科の外来では腰痛、膝痛、肩痛などの患者さんが大半だ。
お年寄りが多くてレントゲンを撮るとたいていの場合脊椎や膝関節などに変形性関節症などの老化現象が認められる。
リハビリをしても湿布を貼っても、少しは良くなるがたいていは長いおつきあいとなる。
こういった患者さんはたいていは低活動で自宅でごろごろしている人がほとんどだ。
もし、一大決心をして、病院など行かずに毎日スポーツジムなどで運動に励んだとしたらどうだろう。
意外と腰痛、膝痛、肩痛などは治ってしまうのではないだろうか。
昔の人は生活の必要性から歩いたり体を動かしたり、とにかく生きるために必死で活動していたと思う。
現代人は体を動かす必要は極端に小さくなり、その代わりに精神的なストレスが極端に増大してしまった。
食べるものの心配はなくなり、肥満や生活習慣病をおそれて食事制限をしなくてはならない。
昔の人間本来の生活に立ち戻って、飢餓感を感じるくらいの食生活で、必死で体を動かせばたいていの病気は治ってしまうかもしれない。
こんなことを考えたのは、本の執筆を期に、本格的に創傷の閉鎖療法を始めてからである。
消毒をせずに傷を適度な湿潤環境においてやることで、創傷治癒が劇的に改善することを知ってからは、人間の体に備わった自然治癒力を見直した。
よけいなことをせずに、人間本来の環境に身体を保つことで病気はたいてい良くなっていくのだと思う。
そういった意味では病院では本当の治療はできないのかもしれない。

そんなわけで明日は海の日。自然に帰ろう。
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