河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

治験審査委員会

2008-07-10 | 研究・講演
夕方、岡山済生会病院の治験審査委員会に出席させていただいた。
昨日、済生会の審査委員長から今日の委員会を逃すと次の審査は2ヶ月後になると言われて、朝から必死になって書類を準備したのだ。

済生会病院に着くと既に治験審査委員会は中盤に差し掛かっていた。
この会議には弁護士の方も出席されていてなかなかいかめしい雰囲気である。

なにやら新薬の治験の討論が行われていたが、一生懸命説明する製薬企業の方に次々と厳しい質問が浴びせかけられる。
ちょっと予想とは違う展開になってきた。
特に外科部長のような雰囲気を漂わせた委員の舌鋒が鋭い。
「そんなことではいかんやないか~。」
の一喝でこの件は審査次回に繰り越しとなってしまった。

いきなり私に番が回ってきた。
ここで蹴られたらもう臨床実験は延期である。
何とかコンパクトに分かりやすく実験計画を説明した。
いくつか委員長からやんわりと質問があった後、くだんの外科部長然とした怖い委員から経費のこととか不測の事態が起こったときの対応について質問があった。
それでも私が外部の者であると言うことへの遠慮や、実験自体が患者さんの利益にもなると言うことが理解されて、何とか承認していただいた。

やれやれ一時はどうなるかと思った。
これでおおかたのハードルは乗り越えることができた。
後は機器を搬送して実験開始である。

本当に研究は大変だ。

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臨床試験

2008-07-10 | 研究・講演
先日のリハ学会の折りに岡山済生会総合病院の先生と共同研究の話で盛り上がったのだが、それが実際に実行に向けて動き始めた。
患者さんで実験をするとなると最大の問題は安全性であり、万が一にも事故が起こってはならない。
それで、当初考えていたIsokinetic CKCの評価訓練は断念することにした。
試作機であるため安全性に問題があるからだ。

実際に行う計画にしたのは現在科学研究費を得て行っている『荷重立位周期的水平揺動刺激と筋電気刺激による筋力増強法の研究』である。
これに関しては基本的に等尺性筋収縮と電気刺激なのでほとんど危険性はない。
昨年既に健常者で3ヶ月にわたる実験を行い問題ないことを証明している。

今回は前十字靭帯損傷再建術を行った患者さんの早期リハとして取り組む予定だが、もしこれで健常人で得られたような著明な筋力増強効果が認められれば画期的である。
従来は再建した靱帯に過大な負荷をかけないように術後かなりの期間十分な筋トレは行えなかった。
そのため早期スポーツ復帰を望む患者さんが筋萎縮に悩むと言うことがずっと続いてきた。
今回の新しい取り組みがこれを解決できたならすばらしいことだ。
何としてでも効果を検証してみたい。

しかし、いざ臨床実験を行おうとすると山のようなペーパーワークがあり、本学と先方の病院両方で審査委員会にかけることとなった。
それでもそこまでしておけば後で論文投稿をするときにも心強いし、いろいろな面で安心である。
ここは面倒だが我慢して乗り切るしかないと思う。
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